第三十二話 加藤中尉!作者は折り鶴を折れない!!その八
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「生きてそそしてです」
「お金儲けて女の子と遊んで」
「美味いもの食って美味い酒飲んで」
「楽しんで生きてやりますよ」
「その中に他の人の為という考えはないな」
「ええ、ないです」
「欠片もないです」
二人は悪田部にあっさりと答えた。
「悪さもしませんけれど」
「そういう考えはないですね」
「募金位はしますよ」
「それでも世の為人の為とか」
この二人にはだ。
「ないですね」
「奉仕とか発想もないですね」
「助けて欲しいなら銭持って来い」
「身体でもいいぜ、女の子ならなですね」
最後の二つはゲスい顔で言うのだった。
「まあお金位ですね」
「身体は流石にいいです」
「どっかのエロ漫画じゃないですから」
「俺達これでも主役ですから、教育作品の」
「まあそういうことで」
「世の中金ですから金でいいです」
身体はいいというのだ、二人もそこまで下種ではないということか。そして話はここで強引に折り紙の話になった。
「まあ折り紙はです」
「やってきますから」
「折り鶴も折れない作者ですけれど」
「ちょっと勝ってきますよ」
こう軽く言ってだった、二人は舞鶴に向かって出撃した。
そしてだ、日帝衆もだった。
山本と東郷はいつもの展開に従ってだった、日帝衆の元老室において西郷に対して確かな声でこう言っていた。
「元老、舞鶴です」
「舞鶴は我等の街です」
こう強い声で言うのだった。
「それこそ路地裏まで知っています」
「その地で負けるつもりはありません」
「ですから必ずです」
「勝ちます」
「勝利の報告をお待ち下さい」
「加藤英二中尉は日帝衆一の折り紙の達人です」
それでというのだ。
「今度こそ勝ちます」
「奴等がどれだけ汚い策を弄しようとも」
「加藤中尉に敗北はありません」
「折り紙ならば」
絶対にというのだ。
「正道は卑劣に勝ります」
「最後に勝つのは正道です」
「それを今度こそです」
「天下に知らしめる時です」
「その通りでごわす」
西郷も二人にこう答える。
「遂に時が来たでごわす」
「我等が勝利を収める時が」
「まさにその時がですね」
「来ていますね」
「舞鶴において」
「折り紙は芸術でごわす」
まさにそう言っていい、折り紙は最早子供のお遊戯とは簡単には言い切れないまで美しいものだからだ。
「その芸術で勝つでごわす」
「では悠木大将もですね」
「出陣ですね」
「そうでごわす」
「わかりました」
瞬はすぐに海軍衆の敬礼で応えた。
「では加藤中尉と合流しそのうえで」
「舞鶴に行ってくれるでごわすな」
「そうさせて頂きます」
瞬の返事は確かなものだった。
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