求めるもの
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生きてる? でも」
肩を抱いて震えるリースリンデ。
実際に見てたんだ。
冷静に考えれば判んだろうが。
「本当に殺されてんなら、今頃は水面に灰が散っとる。アイツは近いうちに自分の魂が尽きるって解ってたからな。物凄ぉく面倒くさいが対策はある。とりあえず今は二の次で良い。それより」
フィレスから受け取った日記を、子供マリアに向けて放り投げる。
日記は子供マリアの手前でピタッと静止、難なく両手に収まった。
そういう使い方もできるのか、『空間』。
「協力しろとかほざくくらいだ。考えがあるんだろうな? その羽根か?」
ひねった黒い紐と銀の留め金でフィレスの首にぶら下がる、純白の羽根。
これですか? と、フィレスが留め金部分を軽く持ち上げてみせた。
「残念ながら。アリアへの接近には、ほぼほぼ、期待できないそうですよ。この羽根自体が厳しく制限しているようで」
「制限?」
「その羽根、ティーの血を使って留め金と繋いでるみたいなの。私の本体がレゾネクトの所へ行く直前でアリアに残した物だわ」
「それが?」
「レゾネクトにだけは決して近寄るなって、触ると切れそうなほど、強烈な思いが籠ってるのよ。向こうから接近された場合はどうしようもないけど、羽根のほうからレゾネクトに近寄るのは全力で拒んでる。レゾネクトが傍に居る限り、アリアの元へ直接跳ぶのは絶対無理。私の力に関係する場所か、レゾネクトに反する場所か、とにかくレゾネクトから離れた所へ導くようになってるの。運良くアリアが一人きりになっていたら、喜んで連れて行ってくれるでしょうけど、難しいわね。そんな隙を見せてくれるなら、とっくに会えている筈だもの」
「つまり、お前らの空間移動は役に立たないと」
フィレスと子供マリアが揃って頷く。
「私達がアリアと直接会うのは難しい。貴方達二人がそうしていたように、地道に捜し回るしかないわ。でも、手掛かりは見つけたのよ」
「! 手掛かりだと?」
「世界樹の根元で世界の現状を見てきたと言ったでしょう? 今、世界中で小規模な混乱が起きているの」
子供マリアが服にしてる上着のポケットから、小さく折り畳んだ白い紙を取り出して広げる。
『会報』とかいう読み物だな。
クロスツェルの教会でもたまに配布してた、アリア信徒への告知用紙だ。
この文字は……あの国で発行したやつか。
「読んでみて」
子供の手のひら一枚半程度の大きさの紙を手に取り。
上から下へと目を走らせる。
適当な挨拶から始まって、いくつかの、特に重要でもない催し物の案内。
それと、
「…………女神アリア顕現に伴う布教活動の自粛と、緊急時避難及び対策の再確認要請だあ!?」
「そう。アリアは既
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