第6章 流されて異界
第126話 犬神
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「臨める兵、闘う者、皆陣裂きて前に在り!」
刹那、まったく間髪入れる事無く放たれた格子状の光によって、俺の背後に存在していた犬神たちが弓月さんにあっさりと排除されて仕舞う。
急造のチーム。そもそも、ここに来るまではどの程度の……。いや、確かに球技大会の時の彼女……弓月桜の活躍から考えるとかなりのレベルの術者だろう、と言う推測は立って居たけど、よもやこれほどの術者だったとは……。
視線すら向ける事もなく、思考のみでそう考える俺。当然、身体はその動きを止める事なく右腕を一閃。それと同時に左手から放たれた呪符が蒼白き炎を纏い――
想定していた……。実際に遭遇経験のあるライカンスロープ系の人狼などから想定していた人工精霊としての犬神の能力からはかなり劣る能力しか示して居ない、この周囲に集まった犬の首だけの魔物に対して多少の違和感を覚えながらも、身体は自動的に魔を滅する動きを続け、
思考は、ハルケギニア世界で妖精女王と名乗った少女の異世界同位体について巡らせる。
そう、この様子ならば、表の世界で名を轟かせている売名だけが上手な連中なら鎧袖一触。皆が魔術師シモンの如き末路を辿る事は間違いない。裏の世界……魔法が支配する世界の裏側には、流石に俺では想像も付かないような、そんな底知れぬ闇が揺蕩って居ますが、それでも、其処の表に開いた入り口のひとつ。陰陽寮に通えばかなり良い成績を納められたのは間違いないでしょう。
この場は二人に任せて――
瞳を閉じれば感じる。有希、万結。このふたつの光点……気配は未だこの旅館の敷地の中に。しかし、ハルヒとして感じている気配がここからドンドンと遠ざかって居る。
あいつは完全に部外者だと考え、結界の内側……ハルヒの部屋に施した結界は彼女の気配を完全に消し去る類の結界なので、其処に誰かが居る事を始めから知って居なければ絶対に破られる事のない結界のハズ……と考えて居たのですが。
何にしてもハルヒでも可、ならば問題がある。確かにハルヒ自身から強い魔力を感じる事はある。まして、それでなくてもアイツは未だクトゥルフの邪神……風の邪神ハスターの贄から完全に脱し切っていない存在。更に言うと土の者。黒き豊穣の女神シュブ=ニグラスの苗床とされた少女。……つまり高坂。いや、黄泉坂と同じ土属性を持って居るのも間違いない。
もし、ハルヒがここで、……こんな中途半端な、妙に素人臭いヤツが行う召喚作業の贄にされたのなら――
元々、召喚しようとした存在が現われる可能性はゼロだが、それ以上に厄介な存在を呼び寄せて仕舞う可能性がある。
そもそも俺自身は、今回のこの事件の目的がどのような存在を召喚しようとするモノだとしても失敗する、と考えていた。それは当然、俺が一切の手出
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