暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1110話
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の一口を飲み込んでから口を開く。

「そんなに付き纏われるのが鬱陶しいなら、きちんと言ったらどうだ? お前のような男には興味がないって」
「何度も遠回しには言ってるんだけどね」
「学園のアイドルも大変だねぇ」

 美綴が、同情するというよりはからかうような口調で告げる。
 うん、確かにああいう奴に延々と絡まれるのは大変だろうな。

「けど、そうね。今度言い寄ってきたらキッパリと断った方がいいんでしょうね」
「俺はその方がいいと思う」

 凛の場合は外見に関しては文句なし――胸は除く――だから、どうしても男に言い寄られる事が多いんだろう。
 それだけ断りの言葉にも慣れてるだろうし、きちんと言ってやればそれで何とかなる筈だ。
 もしそれでも付きまとってくるようなら、それこそ俺の出番になる。
 そんな風に会話をしながら食事を終えると、デザートを注文することになる。
 メニューにあるクレープを見て……

「ゴーヤクレープ?」

 唐突に俺の口から出てきた言葉に、凛と美綴が俺の方に何言ってるのと言わんばかりの視線を向けてくる。
 実際、メニューにあるクレープは別に何がある訳でもない。生クリームやチョコを使っており、生地に包まれているのも果物の類だ。
 ……イタリア料理店に何でクレープがあるのかは分からないが、まぁ、いい。
 でも、何故そんなクレープの写真を見て、俺はゴーヤクレープなんて言葉が出てきたんだ?

「アーク、お前正気か? 何だよ、ゴーヤクレープって。私はそんなもの絶対に食べたくないぞ」

 美綴の言葉に、凛もまた同様に頷く。

「いや、俺だって食いたくはないけどな。何でか不意に思い浮かんだんだよ。まぁ、ともあれ、クレープで」

 それぞれにデザートを注文し、その後も色々と雑談をしながら過ごし……
 こうして、無事に俺達の昼食は終わる。

「遠坂、旦那と仲良くな。夫婦喧嘩は何とやらって言うし」
「……いい加減にしておきなさいよ、綾子? アークとはそんなのじゃないって言ってるでしょ!」

 いや、凛。そうやってムキになるから美綴にからかわれるんだと思うんだけどな。
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