暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1110話
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を示したのは凛だった。

「ばっ、ばばばばば、馬鹿言わないでよ! 何だって私がこんな奴と!」
「ふーん……どうやらまだ賭けは決まってないけど、その雲行きも怪しい、か。しっかし、遠坂がねぇ、ふーん」
「ちょっ、ちょっと美綴さん? 何か妙な誤解があるようだけど……」
「誤解? あたしが何を誤解しているのかね?」
「だからっ、それは!」

 何だかよく分からないけど、急にテンパった凛。
 いや、本気で何だってこんなにテンパってるんだ?
 バーサーカーと遭遇した時よりも混乱しているように見える。

「ま、いいさね。それより、昼食がまだなら一緒にどうだい? それともデートの邪魔をしちゃ悪いかね?」

 デート云々はともかく、他のサーヴァントを誘き出そうとしているんだから、確かに美綴と行動を共にするのは色々と不味い。
 多少鍛えてはいるようだけど、所詮は一般人でしかない美綴を巻き込むのは色々と不味いしな。
 だからこそ、美綴の提案を断ろうとしたのだが……

「いいわよ、変に誤解されたくはないもの。きちんと話を付けておくべきでしょうね」
『凛!?』

 予想していたものとは正反対の言葉を口にする凛に、思わず念話で声を上げる。
 そもそも、今日俺達が新市街にまで出てきたのはサーヴァントを誘い出す為だ。
 そんな中でどう見ても一般人の美綴と一緒にいるのは、色々な意味で不味い。

『おい、美綴を巻き込むつもりか?』
『そんな訳ないじゃない。けど、そろそろお昼でしょ? なら昼食の時くらい一緒でもいいでしょ? ……それに、本気でこの辺で誤解を解いておかないと、変な風に話が広がっちゃうじゃない』
『変な風って……どんな風にだよ?』
『それは……アークエネミーには関係ないわ。それより、あんたもくれぐれもおかしな事は言わないでね。いい?』

 ジトリとした視線でこっちを見てくる凛に、溜息を吐きながらも頷く。
 確かに色々とあるんだろうが、聖杯戦争の最中にやるべき事なのか?

「おやおや? 目と目で語り合ってるとか……本当に怪しいな。よし、2人共。その辺の事情を詳しく聞かせて貰おうか。どこか……うん、あそこの店とか前に桜が美味いって言ってたな」

 美綴の言葉に、何故か凛がピクリと反応する。
 目と目で語り合ってるってのが引っ掛かったのか。
 ともあれ、美綴と凛と俺の3人で近くにあったパスタ屋へと向かう。

「私はキノコのクリームソースにするけど、2人は?」
「そう、ね。イタリアントマトとモッツァレラチーズで。アークは?」
「ペスカトーレと……ミックスピッツァで」
「さすが男の子って奴だね。昼食で2つとか。……まぁ、運動部にいればそのくらいはおかしくないけど」

 美綴がそう告げ、店員を呼んで注文する。
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