Fate/stay night
1110話
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…何しろ、凛は待ちとか考えずに自分からガンガン突き進んで行くタイプだし。
それこそ、こうして日曜だというのにサーヴァントの気配を発しながら街中を歩いているのがその証拠だろう。
サーヴァントである俺の気配に寄ってくる者がいれば、それは高い確率でサーヴァントだ。
しかも好戦的な、という言葉が付く。
まぁ、中には偵察目的みたいな奴もいるかもしれないが、どちらにしろ向こうが気が付けばこっちだって気が付きやすい。
そう、思ってたんだけど……
「やあ、遠坂。日曜の昼間から同棲中の彼氏とデートか?」
新市街を歩いていると、不意にそんな風に声が掛けられる。
声のした方を見ると、そこにいたのは肩くらいで切り揃えられた赤に近い茶髪を持つ女の姿。
この日曜に街中だというのに、何故か制服を着ている。
確か、この女は同じクラスだったと思うけど……凛とはまた違った、凛とした美人。
……凛としたというのと凛が合わさって何だか微妙?
まぁ、それはともかくとしてだ。
クラスの中でも凛と同じくらいに目立っていた女。
名前は……何だったか。
「あら、美綴さん。こんな所で奇遇ですね。けど、そういう表現は止めて下さる? 誰か他の人が聞いたら、妙な誤解をしかねないもの」
「そうかな? 同棲しているのも、デートしているのも事実だろ?」
「同棲ではなく同居ですし、これはアーク君に新市街を案内しているだけなので。……そうよね、アーク君?」
「……え? ああ、うん、そうだったな。勿論だ。俺はこの冬木に来たばかりだから、この辺の地理をまだよく把握してないんだよ」
一瞬誰の事を言ってるのか分からなかったな。
アークってのは俺の偽名だったのをすっかりと忘れてた。
アークエネミーとアークだから、似ている筈なんだけどな。
まぁ、そのうち慣れるだろ。
「へぇ、アークの様子を見る限りだと、そんな風には見えないけどな。えっと、一応自己紹介でもしておくか。あたしは美綴綾子。よろしくな」
「ああ。確か同じクラスだったよな?」
「へぇ、覚えてたんだ」
「まぁ、美綴みたいに目立つ相手を忘れろってのは無理があるだろ」
「ふーん。……で、本当のところはどうなのさ? 遠坂は道案内って言ってるけど」
何故かこっちを探るように尋ねてくる美綴に、小さく肩を竦めてから頷きを返す。
「別に間違ってないな。この辺の事は実際殆ど良く知らないし、凛がこの辺を案内してくれるって事になったんだよ」
「凛……ねぇ」
チラリ、と凛の方を見た美綴は真剣な表情を浮かべたままで口を開く。
「ねぇ、遠坂。一応聞いておくけど、これは賭けが終わったって認識でいいのかな?」
賭け?
美綴の言葉に疑問を抱くが、それよりも顕著な反応
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