第10話 悪夢はふと訪れる
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無イ!
「ガァぁぁアぁァッ!!」
グシャッ!!
何の前触れもなく僕は目の前にいた男の顔面に拳を打ち込んだ、一回だけではなく何度も何度も執拗に……
「このやろう!!」
すると一人の男が剣を振り切りつけてくる。
シュバッ!
「と、跳んだ!?」
僕は跳躍して剣をかわす、だがそれだけじゃ終わらない。体勢を変えて振り下ろすように右足の蹴りを剣を持った男の顔に放った。
ザシュッ!
鋭い蹴りで男の顔がパックリと切れて夥しい血が噴出した。男はあまりの痛みに剣を離して顔を抑える。
ドゴッ、ドガッ、バキッ!
それを悠長に見てるはずが無く、すかさず連続して蹴りを打ち込み男を吹き飛ばした。
「な、何て奴だ……ひぃッ!?」
更に直ぐ側にいた男の右手首を左手で握り締める。
「何を……!?ッギャァァァァァ!?は、離せ、折れる!!」
だがそれを聞いて離す訳もなく僕はそのまま……
ゴキッ!
「!?ッグアアアァァァァ??―――!?」
容赦なく骨をへし折った。
「……さっきまでとは攻撃の質が違う、だがどうやら抑え切れてはいないみたいだな」
白髪の男は無表情で僕を調査しているような事を言っていた。でもそんな事はドウデモイイヤ、次ハオ前ダ……!
僕は真っ直ぐその男に向かっていった、男は両手を伸ばし指を突きつけるような格好を取る。武器も持っていない、唯腕を伸ばすだけの格好……何を狙ってるかは知らないけど直ニ壊シテヤル!
ビスッ、ビスビスビスッ!!
ごほッ!?何で刀が折れて……僕の腹に……穴が?銃なんて持っていなかったはず……薄れ逝く意識の中で僕が見たものは男の笑う顔とパックリと割れた指だった。
「……残念だったな、『瞬骨』は所見じゃ絶対にかわせない」
男はゆっくりと僕を担ぎ上げた。
「う、うぐぅぅぅ……」
「しかしお前達には失望したぞ」
白髪の男は腕を折られて悶絶していた男を蹴り飛ばした。
「ぎゃあッ!」
「ヨアヒム様の駒に無能は必要ない……死ね」
ザシュ、ドシュ、グシャァ!!
男は右手から鋭い何かを取り出すと、自身の部下たちを切り刻んでいく。
顔に血がこびりついても無表情のまま殺していく男の姿はまさに悪鬼と言えるような恐ろしさを醸し出していた。
「……任務完了。これより楽園へ帰還する」
男はそういうと、僕を担ぎ上げて何処かに向かって歩き出す。
「フィーは逃げれたのかな……」
それが僕の意識が
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