第10話 悪夢はふと訪れる
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けて団長の部屋に入る。
「団長、一体何の用件ですか?」
「ああ、そうたいしたことじゃないんだがフィーの事だ」
団長の言葉に僕はちょっと納得した。今日はフィーの様子がどうもおかしい、団長もそれに気づいたんだ。
「単刀直入に聞くが、お前何かしたか?」
「いや、特に覚えはないんだけど……」
ここ最近はフィーと特に何かあった訳でもない。そもそも昨日は普通だったのに今朝からあんな風になってたから心当りはないな。
「そうか、お前にも心当たりがないのか……一体どうしたんだろうな」
「話を聞いてもはぐらかされるし……う〜ん」
本当にどうしたんだろう、心配だな。
「お前、今日は仕事が無かったな?」
「うん、今日は無かったよ」
「なら今日はフィーと町にでも行ってこい」
「フィーと?」
「最近フィーと過ごす事が少なくなってないか?もしかしたら寂しがってるのかも知れないぞ」
確かに…フィーと過ごしたのって二週間前のレグラム以来だ。
「そうですね、最近はフィーとの時間を疎かにしてました、だから今日はフィーと過ごしてきます」
「ああ、楽しんで来い」
「はい、団長、ありがとうございます」
「ちょっと待て、お前に渡すものがある」
「え、何でしょうか?」
団長は懐から何か機械のようなものを取り出した。
「団長、これは?」
「こいつは前にシュミットのおっさんから依頼を受けた時に、報酬として作ってもらった特別な導力器でな。スイッチを押すと俺の持っているもう一つの導力器に合図が来るようになっているんだ。何かあったらそれを押すんだ、唯12セルジュしか反応しないらしいから気をつけろよ」
「あの人ですか……正直僕は苦手なタイプです」
G・シュミット……導力器を発明した『エプスタイン博士』の弟子の一人で帝国随一の頭脳と謳われる人物だ。その頭脳は今の科学の更に先を行っていると言われ、西風の旅団が使っている通信機を作ったのも彼らしい。
だが性格は面倒で自分が興味のない事や人物には辛辣な対応を取ったり話も聞かないので僕は苦手としている人物でもある。
「まあとにかく気を付けて行けよ。因みにどこに行くんだ?」
「ケルディックに行こうと思ってます」
「ケルディックならここから9セルジュくらいか……なら大丈夫だな。フィーと楽しんで来い」
「はい、ありがとうございます」
僕は団長に礼を言ってその場を後にした。
side:フィー
「……」
わたしどうしちゃったんだろう、リィンの側にいないと不安で仕方ない。今朝の夢を見たせい?
「夢を見たくらいでわたし、バカみたい……」
結局リ
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