本編 第二部
「神になれなかった哀れな存在」
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いれたようすもないのに手を添えただけで相手の胸を陥没させる。
「寸勁、勁というのは力の出し方のこと、打撃を極めれば相手の体は水の入ったずた袋にもなんにでもできる、神の域にいるものでもそれを食らえばただではすまない」
そしてそのまま、首を足で挟んで回転する。
ゴキイという音がして相手が倒れる。
「人体と同じ体のつくりをしていれば当然、
投げることも打つことも極めることもできる。
あなたたちは自分が生まれてきた体の弱いところを知るべきだ。しかも今の賢治は神速。
いくらあなたたちでも賢治の速さにはかなわない、さあ、賢治、私はおまえが天源流の奥義まで行けるか見届けてやる!」
ついには、どうやったかわからないが百歩先の相手が倒れこんだ。そして何かを悟ったかのように
賢治は、その場で印を組んだ。精神統一をしてまったく攻撃の気配がない。
敵は狂喜になって攻撃してくる、だがその刃は賢治には当たらない、賢治は避けることさえやめているというのに刃が届かない。
奴らはそれで本性を出した、今まで使っていた武器がみるみるうちに変わっていくあるものは雷を帯び、あるものは炎を操り、あるものは風を呼び込む。そう、彼らが使っていたのは神器。そして彼らの肉体はそれそのものが一つ、異界の者、彼らは特殊な力場を作り出したり森羅万象のすべてを操ることのできる神にも等しい存在なのだ、首を折ったり、
胸を陥没させたくらいでは死なないし、人にはできないことができる。
そしてその力を初めて見せようとしている。
しかし賢治は、そのまま、ふわっと浮き上がった、風がめちゃくちゃに吹き荒れ、稲妻が賢治の体からほとばしりはじめ、白い聖なる光を帯び始める、そしてその光が一閃、広場にいたすべてのものを薙ぎ払った。
そしてその光がまた賢治の中に戻っていく
輝かんばかりの肉体、目にはもはやこの世のすべてが見えている。すべてが光のオブジェのようにみえ、そしてどんな攻撃もすべて賢治の前で止まった。
そして彼らの魔の領域にある炎や稲妻はまるでその意味をなさず、ただものすごい光を放つだけで賢治の体を少しも焼くことができない。そしてそれらをすべてを片手に受けて跳ね返した、者どもは吹き飛んだ、そして賢治が天上に手をかざすと奴らの体の奥から光がほとばしって破裂した。そして広場のすべての敵は倒れた。
「すごい……」
「伊佐、おまえにもみせてやりたい世界がまるで違って見える。だが伊佐、それだからこそ言っておく必要がある。俺たちはどうやら自分の力や周囲の人々という限定された世界で生きてきた。だけどそれでは事の真実には遠く及ばない。世界は広い。それは、写真やニュースで聞いただけでわかるものじゃない。もちろん、俺たちだって苦しい、でも俺たちが抱えている苦しみは上手くいかなくてどうしようもな
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