本編 第二部
「神になれなかった哀れな存在」
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放り投げるとそれがそのまま、ほかの奴にぶつかってピンボールみたいにはじけ飛ぶ。
友恵はまるで剣を八本自在に動かしているような幻影とともに一瞬で相手を切り倒している。それも切った切り口があざやかすぎてまだ組織が動いている。
どっちにしても細切れなのでなにも問題はない。
島はようやく自分が強いことに気が付く、どんなに敵がこようとも全然苦しくない。体が勝手に動いて敵をなぎ倒していく。
豊村夫妻は、まるでタンゴでも踊るように銃とナイフをどこに忍ばせているのかしらないが二丁拳銃に投げナイフと完全戦いなれた
動きで敵を打ちのめしていく。
奴らは決して弱くない。
それどころか、武術は神のレベルかそれと同等の魔と呼ばれるものにさえ見える。
完全に当てに行った賢治の拳打がすんぜんですりぬける。
友恵の剣もまるで幻と戦っているように。
島も炎で焼いたはずのやつらが起き上がってくるのに恐怖している。
明らかに武以上の力を持っている。
たとえ、この場に史上最強の武術家がいたとしてそれがまるでコンピュータのバグのように理論だてられた美しい動きに変な誤差を生み出す。
魔、いや魔法か?魔術の類かあるいは奇跡の業か神の力か、やつらは不死身で神の領域にある。
賢治がまた自分のギアを上げた。そう、この中で一番、武によって神の域に到達できるかもしれない男だ。
「賢治、いけえ、私たちはおまえの作った業で突破口を見出す」
「オオオオおおおおおおおお!」
賢治の拳に何かが宿り始めた。
拳の威力が格段に上がっている。打ち込んだ相手は衝撃が全身を伝わったかのように砕けた。
相手のほうにも容赦がなくなった。だが賢治はその上を行く。
ものすごい勢いで襲い掛かってくるものすごい重量の長柄の武器を相手にまるで木の葉一枚の体重しかないように相手の刃の先にちょんと乗っている。振り払おうとすれば木の葉が回転するように舞ってそのまま姿勢を制御してこんど怪物の頭に。
「中国武術でいう軽身功、体内の気を操り重心を完全に掌握したとき、一本の枝の先にすら留まることができる、人間の4000年の武術が生み出した一つの理想形」
そうかと思えば、あの長柄の武器の鋭い刃を腕で受けて傷一つない。むしろ武器の方が折れるくらいだ。怪物はたとえ木の葉だろうと鋭い斬撃ならば切断可能だと思ったに違いない。舞っている木の葉をスパっと切ってしまおうとしかしそれはかすかな金属音とともにそれが切断ところかダメージを与えることができない超硬度の物質になっている感覚に襲われる。
「硬気功、己の体を鋼のようにする。今のあいつに武器の攻撃なんて効かない」
体は木の葉よりも軽くそして、金属よりも硬い。
そして流れるように相手の懐に入ると零距離からまるで力を
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