本編 第二部
「神になれなかった哀れな存在」
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して、精神統一にはいる」
「よし、いくぞ!」
三人の気が島に流れていく、それを体中で吸い込んだ島は狐の姿のまま、毛が金色に輝き、そしてあたりのエネルギーの流れをその気で刺激して目で見えるようにしていく」
「よし、さあ、これが私が読み取ったこの壁の文字の意味よ」
それは一つの流れとなってこの広い廊下をらせん状に新しい道を見せた」
「やっぱり!ここはこの場所は時空間を歪ませて本来の道を隠してしまうカモフラージュの機能があるのよ、一種の迷宮ね。壁の文字が外からのエネルギーを増強、強化してエントロピーを増大させ、巨大な目隠しをしていたの。ちゃんとした道を進まないと時や空間を進めないようになっている。つまり私たちはいままで恐ろしいほどの時間をただ足踏みしていたというわけ」
「なんつーかえらいひどい話やな。それにしても気の具象化なんて人間でできるものは少ないで?というより今から戦う相手は本当に人間が相手できるものなのか、本来は神が相手をする予定だったんだろ」
「ここまで来てそんなことをいってもしょうがない、今は進むんだ」
「なあ、伊佐」
「なんだ賢治」
「このさきにある何が来ようともおまえを守るよ」
伊佐はきょとんとしてそれからとてもうれしそうに笑った。
「ああ、守ってくれよ。でも死んだりなんかしたら許さないからな」
「分かってる」
わたしたちはだんだん空気が変わっていることがわかるようになってきた。
そう、これは本当の最後の試練に近づいている。はたして神が戦うべき相手とはどんなものなのか?
わたしたちはひょっとしたらあまりの力の違いに一瞬で消し飛ばされるかもしれない。
すると異形の者たちが広くなった大広間に現れた。
まるで狂ったように踊り。
ピーヒャラリピラリー、ピーヒャラリピラピー。
タン、タタン、タタタン、タタン。
トゥータッタリーラララ、ラララリラリラー。
常軌を逸した音程に乱拍子をまじえて、狂気を交えたメロディが流れて、戦意と傷の痛みを感じさせないトランス状態へいざなっていく。人よりも数倍大きく獣が鎧を着て半獣半魔の異界の者になっているその数は算出不能。
広間の中央に巨大なる火を囲んで人間ならざる者が二つ足で踊ってその影が大きく周りの広間に広がっていく。
広間は広すぎて、感覚が遠のき狂ってくる。そして体の底から恐怖が湧き上がる。
それらは非常に強靭でまた絶対で恐れることが正常な異常な存在の群れだ。
「おい、やばいぞ、このままじゃおれたち、
あの数に追い回されるぞ?」
「しょうがないわね、どうやらここを通らないといけないみたい。でも少し燃えているかな。こいつら結構歯ごたえありそうだし」
賢治は、伊佐の軽口に呆れた。
「伊佐さん、私は何を信じてあいつらに立ち向かえばいいんです?」
「き
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