本編 第二部
「神になれなかった哀れな存在」
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すぎたかわからないくらいだ」
「伊佐はんは結構、感覚がするどいのに図太いのう、まるで巨木や、わしは神様でもときどきおまえさまがわからん様になるわ」
「島といったな、本来はなんて名なんだ」
「お稲荷様に名前きくのか、わしの名前はもうどれくらい長いのかわからんくて、読み終わるのに三十年かかるんでもうわすれたことにしたわ、まるでじゅげむじゅげむみたいな名前やし、島でええよ」
「はは、神様にしてはえらくくだけた神様だ」
「まあ、お稲荷様っていうのも外国から入ってきた神様が日本風になったようなもんなんや」
「そうのなのか?」
「そうやよ?もう日本ちゅうのはご先祖様から果ては九十九神に果ては観音様まで日本ちゅうのはいろんな神様を取り込んできたんよ。まあ、実質、東の果てなんだよ」
「へえ、そういえば、警視庁の警視総監さんが、なんか言ってたっけ、なあ伊佐。なんか日本は霊的ななんとかかんとかと」
「霊的な想念の塊だったか?」
「そうそう、そんな感じに」
「ふうん、そんなこといっとったのか?そりゃ、考えてみとってくれよ、あの日本の大地は千年間ずっと生き物が死んでは生まれたところやで、東京なんか、いまでも少し地面ほれば、人骨が出てくるし。つまりほんまに日本の土はご先祖様でできてるわけだ。それが風にのってどこまでも吹き渡って、ほれ、よく台風がくるだろ?あれは、本来風っちゅうもんはたまって淀んでるものを吹き流してきれいにしてるんや、つまり日本はそうやって一年に何回か浄化せにゃ、怨念、想念の溜まり場になって怪異の吹き溜まりになってしまうんだ。思えば伊佐はんの周りはそういうのばかりや、明日香はんの怪力はもはや人智を超え取るし、他の人もかなりの達人だの名人だの、なにか飛びぬけてる、そう思わないか?」
「そういえばそうだ」
「つまり豊村伊佐の周りを中心にまるで磁石のようにそういった人物が集まってきたということじゃ、日本人が巡り合わせをとても重要視するのはそうやって偶然出会ったものが何かの力が作用してそうなるべくしてなったような感覚にとらわれるからなんやろな」
「ほお、私はなにか引力のようなものをもっているということか」
「伊佐はんは、自分で自覚しておらんの?思えば、伊佐はんは生まれた時にはもうバハムートというものに出会ってしまったし、それからも仙人や導いてくれるものに出会いすぎている。それはどうしたってなにかの宿命としか考えられへんやろ?そもそもバハムートなんてのは個人が抱え込める範疇をすっかり超えとるやろ?あれは神様と同一視してもおかしくないんやで?」
「そうだな、これが一種の悪魔憑きのようなものだったら話は簡単だが、そうじゃない、私という命はバハムートという神獣を内包するほどのもので、なぜ、バハムートがそうしたかすら計り知れないものだ」
「で、賢ちゃん、
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