本編 第二部
「神になれなかった哀れな存在」
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る、家族を信じられる。対立する国の国民も同じように人間なのだと信じられる。
人は信じることをやめてしまった時欺瞞にあふれ人の心はあれ、そして争いを始めるのだ。
さあ、なにを怖がる、どうしてわたしたちに触れようとしない、あなたはこんなに強大なのに」
「わ、我がおそれているというのか」
「あなたの名はなんというのか、あなたは自分の力でこんな洞窟を維持して隠れ潜んでいるだから恐ろしいのだ、光の中の世界が!さあ、私たちの手を取るんだ」
「ひ、ひとつだけ教えてくれ、わたしは何者なのだ。どうしてこんなところに閉じ込められている、なぜ神は私を封印した?」
「それはあなたがそうしたいと心の内で怯えているからだ!」
三人の体の光は強くなるそしてそのものの
体を包み込む。
するとその体はぼろぼろになってまるでとまっていた長い時が一気に動き出したように塵になって消えていく。
「わ、われは死ぬのか?」
「ああ、だがまたいくらでもやり直せる。死は恐れることではない」
「そうか、次に生まれるならもっと無力で力を持たないそんな存在がいい。木の実や葉っぱをたくさん食べてああ、それは安らかだろう。お前たちに問う、この世界は好きか?」
「それは必ずしも好きとは言えません。でもどんなひとでもがんばっていることにわたしは誇りをもっている」
「さあ、今ひとときの安らぎを受けるがいい」
それは、光の泡になって消えていった。
「今度こそ、終わりだ。うちへ帰ろう。伊佐」
「ああ、ああ!賢治、ありがとう。おまえがいなければ私はここまでいけなかった」
二人は互いを抱きしめ合った。不意に目と目が合って唇が目に止まる。二人は静かに口づけを交わす。
「おいおい、あんさん。人の前でやりますなあ、お熱いこって……」
「島、そういえば恩返しの件、まだだったな」
「ああ、そうやな」
「そうだ、おまえの奇跡で俺たちとみんなをここから出してくれ」
「ふいいい、それはキツイな、でも気張ってみますかあ!」
大狐は、キューンと吠えるとみんなの体が光につつまれそして気が付くとみんな、特殊作戦用空母「いずな」の甲板に戻っていた。
「あれ、ここは」友恵が不思議がっている。
伊佐のお父さんとお母さんは娘をほんとに
感心した目で見ている。
「父さん、母さん。やったよ」
織花が起きだして、明日香が飛びついてきて友恵が涙で顔をぐしゃぐしゃにしてみんなに頭をぽんぽんされて、天光がほほえましげに笑いながら駆け寄って細川さんが静かな面持ちで気が付くとみんなの中にいて友恵の顔をほおずりしている。
島は、それを見てから、ほな、おおきに、
けんちゃん。たまにはあそびにきてくれよ。
と言って空に飛んで空気に溶けていった。
賢治と伊佐を中心にみんな、互いに抱き合ったりぶつかった
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