第1章:平穏にさよなら
第8話「“夢”と熱」
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「...お腹減った...。」
「今おかゆ作ってるから少し待って。」
「は〜い...。」
そう言って緋雪はソファーに倒れこむように横になる。
「...よし、完成っと。」
僕の分と緋雪の分に取り分けて、テーブルに置く。
「熱いから冷まして食べなよ?」
「うん。」
食欲自体はしっかりあるのか、あっという間に僕らはおかゆを平らげた。
「...しかし、いきなり熱が出るなんて....。」
「昨日、疲れたから早く寝たのになぁ...。」
熱は治まってないものの、気分とかは大分楽になったので、リビングで少し緋雪と話す。
「風邪を引くような事はしてないのにな。」
〈それについては私から説明しましょう。〉
「リヒト?」
昨日の帰宅後から一切喋っていなかったリヒトが話に入ってきた。
〈簡単に言えば、お二人が熱を出したのは、リンカーコアの活性化と同時に、過剰な魔力運用をしたのが原因です。〉
「過剰な魔力運用?」
〈はい。昨日は、マスターは自身の魔力に見合わない使い方をしましたから。〉
...あの魔力AAAランク分の魔法か...。
「あ、じゃあ、私も...。」
〈はい。緋雪お嬢様も狂気に囚われていたが故、異常な魔力運用でした。〉
緋雪の言葉に、緋雪のデバイスが答える。
〈シャルラッハロート、貴女は緋雪様を止めようと思わなかったのですか?〉
〈私はお嬢様最優先ですので。〉
...あれ?なんか、デバイス同士で険悪な雰囲気に...。
「というか、知り合い?」
〈はい。それぞれの以前のマスターは親しい関係でしたので。〉
「わお。凄い偶然。」
...でもなんだろう。偶然であって偶然じゃない気がするのは。
「にしても魔力運用が原因かぁ...。」
〈今日一日安静にしていれば明日には治るのでご安心を。〉
リヒトがそう言うので、特に何かして治さなきゃいけない訳ではないと安心する。
「じゃ、今日は大人しくしておくか緋雪。」
「そうだね。」
そう言う事で、僕らはのんびりとその日を過ごして行った。
偶には平日にゆったりまったりしておくのもいいね。
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