第1章:平穏にさよなら
第8話「“夢”と熱」
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
わかりました。担任の先生に伝えておきます。お大事にね?】
「はい。」
...よし、これで大丈夫だろ....っとと...。
「あー...結構辛いな...。」
「お兄ちゃん...無理しないで...。」
「いや、緋雪の方が熱があるんだから、無理せず寝とけって。」
とりあえず、緋雪が寝ているベッドにもたれるように座り込む。
「...こんな状態じゃ、緋雪の吸血鬼化をどうにかする事もできないな。」
実は、昨日から緋雪の吸血鬼化は治っていない。吸血衝動自体は収まったけど、肝心の羽や赤い瞳などは元に戻っていない。
「羽って...結構邪魔なんだよね...。」
「背中に何か挟んでるようなもんだもんな。」
「うん...。感覚もあるから、背中に手を敷いてるみたいな感じ...?」
あー...なにもやる気が起きない...。というか体がだるい...。
「ちょっと...眠るか...。」
「うん...。あ、お兄ちゃん、そこでいいの?」
緋雪はベットに入ったままだけど、僕はもたれてるだけだったな。
「そうだったな。自室に戻r「待って。」...どうした?」
「えっと...一緒に寝てくれないかなぁ....って。」
手を掴まれて、上目遣いでそう言ってくる。
「...すっごく暑くなるけど..いいのか?」
「うん。今はお兄ちゃんといたい。」
...しょうがない。熱が引いたら布団を洗うか。
「...にしても、どうしたんだ?こんな事頼み込んでくるなんて...。」
「...ちょっと、嫌な夢を見たから...。お兄ちゃんと一緒なら、大丈夫かなって。」
夢か...。今朝のを思い出すな。
「そっか。...なら、安心して眠れるね。」
「うん。...お休み...。」
そうして、僕達は一緒の布団で寝た。
「....う、うーん....。」
ふと、目を開ける。すると、目の前には緋雪の寝顔があった。
「なんで緋雪が...って、一緒に寝たんだったな。」
寝る前に何をしていたのか思いだし、緋雪を起こさないように布団を出る。
「...うん。意識は大分はっきりするな。...熱は治まってないけど。」
もう眩暈とかはしてないため、家事とかもできるな。
「<ぐぅ〜>...朝は何も食べなかったからな...。おかゆでも作るか。」
緋雪の分も作っておかないと...。
「うぅ....お兄ちゃーん....?」
フラフラとしながら緋雪が起きてきた。
「緋雪、無理しなくていいよ。」
まだ熱がある僕が言えた事じゃないけど。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ