暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第1章:平穏にさよなら
第8話「“夢”と熱」
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
憎しみ...様々な感情と共に溢れ出して行く。

「■■■は...!■■■は!!」

  彼を抱きしめるように私は悲痛の叫びをあげる。その運命を呪うように。認めたくない現実を怨むように。ただただ涙を流した。

「....もう、いい。」

  集まってきた人達が、“私”に向けて魔法を放ってきた時、“私”そう呟いた。

「....もう、いいよ。皆...ミンナ、壊レチャエ!!」

  膨大な魔力が解き放たれた。

  その魔力は、“私”に向かってきた魔法を消し去るだけでなく、集まってきた人たちを全員消し去る程までだった。

「アハ、アハハハハハハハハハハ!!」

  狂った。そう、昨日の私のように、夢の中の“私”も狂った。そして、嗤っていた。狂って、嗤って、それでいて、涙を流していた。





   ―――まるで、愛しき人を亡くした事を、後悔するように。











「―――っ....!!?」

  飛び起きた。それはもう、被っていた布団が吹き飛ぶくらいに。

「はぁ...はぁ...ゆ、夢....?」

  そう、夢だった。...とびっきりの悪夢とも言える程、哀しい夢だった。

「なんで...あんな夢を....?」

  怖かった。悲しかった。辛かった。そして、何よりも...。

「―――悔しかった。」

  夢の中の“私”が、彼を失った事が、何よりも悔しく思えた。

「...お兄ちゃんに、似てたからかな...?」

  夢の中の彼が、あまりにもお兄ちゃんに似ていたから、私も悔しく思ったのだと思った。

「っ....。」

  体がふらつく。夢の影響だろうか?そう思って私は額に手を当てた。

「あ、熱だこれ。」

  ...ただの熱だった。







       =優輝side=





「...40,2度...とんでもない高熱だな...。学校は休むか。」

  緋雪の熱がとんでもない事になった。

「ごめんね...。お兄ちゃん...。」

「...いや、別に緋雪は悪くないさ。でも...。」

「お兄ちゃん?」

  歯切れ悪くする僕に緋雪が心配してくる。

「...僕も、熱が出てるんだよな。」

「...えっ?」

  39,1度。さっき測った結果がこれだった。

「兄妹揃って風邪を引くとは...ついてないな...。」

  とりあえず、学校に連絡しておこう。

     トゥルルルル

【はい、こちら私立聖祥大附属小学校です。】

「すみません。5年2組の志導優輝です。4年1組の志導緋雪と共に高熱が出てしまったので今日は休みます。」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ