プロローグ〜四者四様〜
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〜side ???〜
ぽつぽつと自分の額に水滴が落ちてくるのに気づく。
「やべ、雨降ってきたさ!…あれ?傘がねぇさ。…う〜ん?」
周りを見渡していると歩道橋の先に駅があるのを見つける。
「あそこまで走るさ!」
と言って駆け出し、歩道橋にかかり、階段を上っていたそのとき…
―――ツルッ―――
「へ?」
その瞬間、強い衝撃と共に目の前が真っ暗になった。
〜side ???〜
「クソ、クソ!」
罵ると共にその場にあったごみ袋を蹴飛ばす。しかし、自身を占める怒りは到底収まりそうに無い。
「武田の野郎、俺をパシリに使いやがって!くそ、くそ!」
本来なら本人にこうしてやりたいが如何せん自分にはそんな力が無いことは身にしみてよく分かっている。
―――ドン―――
「なんだよテ…へ?」
突然背後に衝撃を食らって振り返るが背中に違和感を覚える。これは何かが刺さって…
「何だよこれ?」
「ヒヒヒィ」
違和感の正体は、自分にぶつかったポンチョを着た男が手に持つ自分の背に埋まり血に染まった…包丁だった。
「あ…ああぁ」
「はははははははははは」
へたり込んでしまった自分に男が不気味に笑いながら迫り、包丁を振り下ろした。
〜side ???〜
「うん?」
「目が覚めた?」
ふと、目覚めると友人の声だけが聞こえた。
「って、何で僕縛られてるんですか!?」
「私ね、散々迷った挙句に自殺することに決めたんだけどさ」
「ねぇ、僕の話聞いてます!?」
僕の叫び声にも応えず相手は独白を続ける。
「さすがに一人で死んでいくのも寂しいしこの際誰でもいいからついてきてもらおうと思ったんだ」
「は…はい?」
ここまで来ればどうなるかは火を見るより明らかだ。…心中。
「と言うわけで一緒に死んでくれる?」
「い、いやにきまって…」
「まあ、聞いても意味無いんだけどね」
その言葉のあと、僕の首に鈍い衝撃が走った。
〜side ???〜
「ジャンプも手に入ったし、さっさと帰って読むとするか!」
右手にジャンプの入った袋を提げて若干小走りになりつつも家路についていると、
―――ギュオオオオオオ―――
「なんだ!?」
近くの通りから音が聞こえてきた。ソレも尋常じゃないものの。通りに駆け出して目の前に広がっていたのは…
「なっ!?」
自身に迫ってくる、トラックだった。そしてその一瞬の後、浮遊感と共に体を衝撃が襲った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ここは…」
見渡してみるも、周
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