第三幕その七
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「オズの国にはね」
「そうなんですか」
「オズの国には」
「うん、そうなんだよ」
「凄いですね」
ジョージは驚いたまま言うのでした。
「オズの国にはまだリョコウバトがいるんですね」
「そうだよ」
「どうかしたの、ジョージ」
恵理香はジョージがあまりにも驚いているのでその彼に尋ねました。
「凄く驚いてるけれど」
「驚くよ、あのリョコウバトはね」
ジョージは飛行船の窓に貼り付く様にしてその鳩達を見つつ恵理香に答えました。
「アメリカにいたんだけれど」
「そうだったの」
「もういないんだ」
「いないって」
「絶滅したんだ」
このことはです、ジョージは悲しいお顔で言いました。
「だからもういないんだ」
「そうなの」
「うん、けれどオズの国ではいるんだね」
「そうだよ、オズの国にはリョコウバトがいるんだよ」
魔法使いはジョージの横に来て答えました。
「ああしてね」
「そうですか、素晴らしいですね」
「うん、アメリカではいなくなっても」
「オズの国ではいて」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「ああして私達の前にも出て来るんだよ」
「いや、素晴らしいものを見ました」
「他にはドードーとかもいるわよ」
「あっ、あの鳥もですか」
「ええ、オズの国にはね」
いるとです、ドロシーはジョージにお話しました。
「ドードーもいるのよ」
「そうなんですね」
「よかったら見てみる?」
「はい」
ジョージはドロシーからの誘いにすぐに答えました。
「よかったら」
「わかったわ、今度見に行きましょう」
「いや、リョコウバトだけじゃないんですね」
「ドードーもモアもヨウスコウカワイルカもいるわよ」
「あのイルカもですか」
ヨウスコウカワイルカと聞いてです、神宝はその目を輝かせました。
「もういないって聞いてましたけれど」
「オズの国にはいるのよ」
「そうした意味でも不思議な国なんですね」
「そうなの、この国はね」
「じゃあ僕もよかったら」
「ヨウスコウカワイルカをなのね」
「見させて下さい」
こうお願いするのでした。
「是非」
「わかったわ、それじゃあね」
「はい、その時は」
神宝も普段以上にテンションを上げています、ですが。
ジョージと同じく凄く喜んでいます、カルロスはそんな二人を見て思うのでした。
「二人共どうしてそんなに嬉しいのかな」
「ひょっとして」
恵理香が言うにはです。
「カワウソと同じなのかしら」
「カワウソって?」
「実は日本には昔はカワウソがいたけれど。アシカや狼もね」
「狼っていうと」
「ええ、もう日本に狼はいなくて」
そしてとです、恵理香はカルロスにお話しました。
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