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ユキアンのネタ倉庫 ハイスクールD×D
ハイスクールD×D 妖狐伝
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難しい。メリットなんて龍脈の力を使った大掛かりな術式を使えるぐらいだよ。

さて、現実逃避はやめてと。蛇の目を剥がして姿を現すと件の二人が驚いている。とりあえず今のうちに畳み掛ける。

「グレモリー家の方でよろしいでしょうか?」

「あ、ああ、そうだよ」

「グレモリー家のご令嬢をお連れしました。まあ、見ての通りお疲れになって眠ってしまいましたが」

よだれで肩が冷たいから早めに抱きかかえてあげてほしい。

「すまない、グレイフィア」

「はい」

グレイフィア・ルキフグスが背中の少女を抱きかかえる。そういえば結局お互い自己紹介をしていなかったな。

「では、私はこれで」

「少しだけ良いかな?」

「なんでしょう」

「君の名前を教えてもらえるかい?」

「妖獣会総大将八坂が息子、十尾の十束と申します」

オレの名前を聞いて二人が驚いている。うん、その反応には飽きた。2年前からオレの名前を聞いた相手は全員そんな顔をするから。

「君があの。いや、失礼した。私はサーゼクス・グレモリー。隣にいるのは妻のグレイフィアだ。今日は魔王とは関係なく来ている。妹が迷惑をかけたようで」

「いえ、構いませんよ。京都と裏京都を好きになってくれたのならそれで」

「君は故郷を愛しているんだね」

「ええ。大好きです。だから、面倒でも十尾を晒して日本神話にカチコミをかけました。それだけの価値がここにはある。だから、貴方方も好きになってくれたら、嬉しいです」

別れる前に少しだけ妖力を使って狐火と幻術を利用して周囲の風景を幻想的に彩らせる。

「それでは最後まで京都の旅をご堪能ください」

一礼をしてから再び蛇の目を貼り直してその場から離れる。







グレモリー家のご令嬢の裏京都の案内を終えて一月後

「また来ちゃった」

「いや、まあ、オレが指名された時点でなんとなく分かってたけど、今回は一人なのか?」

「ううん、グレイフィアも一緒に来てる」

「お久しぶりです、十束様」

前回会った時は私服だったグレイフィアさんが今日はメイド服を着ている。恐ろしいぐらいにミスマッチしていて視線が集まる。

「えっ?グレイフィア、名前知ってるの?」

「はい。お嬢様がお眠りになっていた時に送ってくださいまして、その時に」

「ずるい!!私は聞いてないのに」

「聞かれなかったからな。おっと、仕事口調に直した方がよろしかったですか?」

グレイフィアさんに確認を取る。

「いえ、そのまま普段通りで構いません。その方がお嬢様もいいそうですので」

「ならこのままで。さて、改めて自己紹介だな。オレは十束だ。前みたいに狐のお兄ちゃんでも構わんぞ」
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