ハイスクールD×D 妖狐伝
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」
「大丈夫だ。あの札は蛇の目と言ってな、傘の内側を曖昧にするものだ。怪しい行動をしなければ見られてもばれないさ。さあ、歩こう。ゆっくりで良いさ」
そのまま歩き出すと少女が後を追ってきてオレの帯をぎゅっと握る。
「ああ、帯はやめてくれ。服自体を掴んでくれ」
「ご、ごめんなさい」
「うむ、次からは気をつけてくれれば良いさ」
ちょうどその時、後ろからやってきた案内役の妖怪の姿を確認する。天狗の桔梗だと?つまりこの娘はかなり良いところの出か。はぁ、オレが面倒をみるしかないか。折角の休日が潰れるか。歩きながら式神を落として桔梗に事情を話しに行かせる。
「それで、なんで逃げてきたんだ?」
「だってつまんないんだもの。似ているようなところばっかり行くんだもの」
なるほど、確かに子供には神社は面白みがないからな。なら裏京都の方に連れて行くか。
「なら少しは楽しめる場所に案内してやろう。だがその前に腹ごしらえだ」
「腹ごしらえ?」
「この先に美味い団子屋があるんだよ。奢ってやるから着いて来な」
「うん」
歩いて5分程のところにある馴染みの団子屋に向かい、店の前の椅子に少女を座らせて傘を持たせる。それから店に入り店主の米さんに声を掛ける。
「米さ〜ん、いつもの団子2人前にいつものお茶と、子供でも飲みやすい甘めのお茶一つね」
「誰か一緒なのかい?」
「ちょっとね、外国の観光客の子供だよ。神社を回ったりするのに飽きちゃったみたいだからオレが相手してるんだ」
「そうかい。ちょいっと待っておくれよ」
そう言って米さんが年齢を感じさせない軽やかな動きで団子とお茶を用意してくれる。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。それじゃあ、これが代金ね」
財布から二人分の代金を払って戻ると、子供らしく足をぶらぶらとさせながら傘を回して遊んでいた。
「お待たせ。食べようか」
少女の分の団子とお茶をお盆ごと渡してやり、隣に座って団子に齧り付く。少女も食べようとしたところで傘に手を塞がれていることに気づき落ち込んでしまったので、尻尾で傘を持ってやる。
「ふわぁ、綺麗な尻尾」
「ふふっ、自慢の尻尾だよ。動物系の妖怪は尻尾がステータスになる重要な物でね、数が多ければ強さが、綺麗であるほどお金持ちであることが一目で分かるんだよ」
「どうして?」
「尻尾は力の塊なんだ。だから、数が多いほど力が大きい。尻尾を綺麗にするには、こまめに手入れをする必要もあるし、道具もいい物を使わなければならない。それにはお金がいっぱい必要なんだ。面倒だって思う人も多いしね」
「へぇ〜、そうなんだ」
興味深そうに尻尾に手を伸ばしてきたので遠ざける。
「勝手
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