ハイスクールD×D 妖狐伝
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息子、十束と申します。この度の事件について妖怪側からの提案があり、使者としてそれをお伝えに参りました」
「妖怪が提案だと?はん、こんな子供を使いに出す無礼な奴らの言い分など聞く必要は」
火室がそこまでいったところで鯉伴が首に刀を突きつけていた。
「今は八坂の大将が正式に使者として送った十束と久世宗兵が話し合おうってんだ。ただの護衛が口を挟むんじゃねえよ」
「貴様!!」
「よい。火室、お前は部屋から出て行け。ここまですんなり入られていては護衛の任を全う出来ているとは考言えぬ。この二人がその気なら儂は既に殺されているだろう」
「ですが」
「口説い!!」
久世さんが怒鳴り、ようやく火室が退出する。
「さて、これで話が進められるな。だが、その前に座るがいい」
「失礼します」
勧められるままにテーブルを挟んで対面の座布団に座る。そして口を開く。
「まずは無作法を働いたことを謝罪申し上げます。何分、時間が残されていなかった物ですから」
「火室一派か」
「はい。既に裏京都の境界線上に集結し、境界を操作し始めています。こちらも境界線の維持のために境界線上に高位の妖怪が集まっています。衝突すれば、一瞬で陰陽師が壊滅するでしょう。そうなれば、どちらも引くに引けない状況に陥るでしょう」
「地脈は其方に抑えられている上に、警備を軽々と超えられる以上そう見るべきだな。それで、そちらの提案とは?」
「そもそもの発端、原因は何処にあるとお考えでしょうか?」
「率直に来たな。ちなみに小僧、お前は何処にあるか明確に示すことができるか?」
「ええ。母、八坂も気づいていませんでしたが、私には見えています。久世さんも?」
「ふん、これでも長生きしてきたからな。そもそもの原因」
「それは」
「「金」」
同時に発した答えに鯉伴が驚いている。
「鯉伴、貴方も気づいているでしょうが年々京都の街から活気が減っていってるでしょう。不景気も相まって観光客が減って、それがそのまま職人の収入に影響を与えているのですよ。人が減り、需要が減り、利益が減り、寂れた所に新たな職人を目指そうと思う者が付くと思いますか?」
「......妖怪ならともかく、人間には辛いだろうなぁ」
「この件、根はそこにあります。それを解決しないことにはこのような事件がなんども起こるでしょう」
「中々キレる坊主だ。これが妖怪どもの頭になれば京都などあっという間に乗っ取られるわ」
「そんなことはしませんよ。私は京都も裏京都も愛していますから」
「坊主のくせに一丁前なことを言う。お前に京都の何がわかる」
「……団子屋の米さんにはよくおまけを貰ってます。この和傘は傘職人の与一さんに
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