ハイスクールD×D 妖狐伝
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尻尾寝袋が出来ると?やべぇ、頑張らないと。
とりあえず目標は決まった。修行して自前の尻尾寝袋をゲットするのと母のあとを継ぐことだな。と言うわけで情報収集を兼ねて街に出かけよう。京の街は独特な味があって好きなんだよ。あと、鯉伴と一緒だと色々と無茶がきくし、色々ないたずらを教えてくれるから楽しいのだ。今日はどこに連れて行ってくれるだろうか。
オレは今、分水嶺に立たされている。裏を知る人間と妖怪の間で商売上の問題が発生したのだ。年々人間側の職人の質が下がり後継者も居ないところがあり徐々に終焉を迎えているのに対し、妖怪側は長命の職人が多く、平安時代から物を作っている職人がいるぐらいだ。さらには妖力を込めたりするからちょっとした効果がついたりする。つげ櫛なのに手入れの必要がなくなったりとか、油のノリがよくなって毛が綺麗になるのとか。尻尾の手入れにお世話になってます。話が逸れたな。
まあ、そんな感じで不信感が募っている中で地上げ屋がとある店を妖怪の力も借りて無理やり買い取ったと人間側が訴えてきたのだ。だが、妖怪側に立って言い分がある。妖怪の力を借りたと言っても単に工房の維持管理のために妖怪の力で支えるという説明して見本を見せた上で十分な金を妖怪のことを秘密にするという約束もあるので上乗せまでして払っている。工房の維持も店側の要求だったのに訴えられるのはおかしいと争う姿勢を見せている。
このままだと人間と妖怪がぶつかることになる。そうなれば、人間の住む京都か、あるいは妖怪の住む裏京都が壊れることになる。それを止める手段がオレにはある。だが、それをすればオレは戻れなくもなる。オレは京都も裏京都も愛している。だからそれが壊れる姿は見たくない。
そこまで考えてふと思う。いずれはそうなると思っていたが、それが早くなる。ただそれだけだと思い直し、母さんの元へ向かう。
「こんばんわ、久世さん」
「お前は、鯉伴と八坂の」
「息子の十束と申します」
「久世さん、お下がりを」
裏を知る人間のまとめ役をしている久世宗兵さんの屋敷に鯉伴と共にやってきた。鯉伴とは別の方法で隠れながら護衛の陰陽師を躱してきたのだが、陰陽師の護衛のまとめ役が傍から離れず、むしろこの場で纏めて話し合いに巻き込んだ方があとが楽だと考え直して姿を表したのだ。
「よう、火室。久しぶり」
「鯉伴、何をしに来た!!」
「今日は十束のお守りだよ。それ以外は今日は何もしねえって。八坂の大将にもきつく言い含められてきてるからな」
「何?」
火室と呼ばれた陰陽師がオレの方へとキツい目を向けてくるが、大したことではない。どうやら陰陽師の質も下がっているようだ。
「まずはご挨拶を。妖怪のまとめ役、九尾の八坂が
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