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異世界系暗殺者
逆鱗の時間(2016/05/16 一部修正)
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つだろ?
それにあんたが殺人罪云々を口にするのはおかしいだろ?超生物相手とはいえ、俺達を暗殺者に仕立て上げようとしているあんたがさぁ!」
「ぐっ!確かに俺――いや、防衛相は君達を暗殺者に仕立て上げようとしている。今回の一件で君達の身の安全すら守れていないことを痛感させられた。だが、だからといって殺人を犯していい理由には―――」
「烏間さん。今の俺は気が短いんだ。同じことを何度も言わせるなよ。俺は鷹岡の殺意に身の危険を感じた。だから、正当防衛で鷹岡を殺す。そう言ってるんだ。
俺達に一般的な日常の確保すらできないダメな大人が、偉そうに指図してんじゃねぇよ。俺に殺させたくないって言うなら、あんたが殺せ。それができないなら俺の邪魔をするな。でなきゃ、あんたも殺すぞ」


烏間先生の物言いに少しばかりイラつきを覚えた俺は、敢えて“先生”ではなく“さん”と呼び、殺気を烏間先生に集中させる形で放った。すると―――


「くっ!」
「「「「「「「「!!?」」」」」」」」


烏間先生はほんの僅か後退したかと思えば、冷や汗を浮かべながら銃の引き金に指を掛けた。悠馬達に至っては冷や汗を浮かべながら身体を硬直させている。


「……どうしたんだ、烏間さん?まるで頭を日本刀で貫かれた様な顔をして」
「……!!」


烏間先生は鷹岡とは段違いな実力の職業軍人。なら、放たれた殺気に込められたイメージをダイレクトに受けてもおかしくはない。事実、俺は日本刀で額を刺し貫くイメージを乗せて殺気を烏間先生に放っていた訳だしな。

さて、殺すイメージで殺気を放ってみたものの、これからどうしたものか。烏間先生達に対するイラつきも、殺気を放ったことである程度静まった。

それに流石に今まで色々と―――主に戸籍や屋敷の購入で世話になった烏間先生を殺すのは寝覚めが悪い。かと言って、鷹岡を殺したいという衝動は抑えられそうにない。

………………半殺しならいいか。二番煎じだけど足を滅多刺しにしよう。筋繊維に沿う様な串刺しなら大して障害も残らないだろう。根拠はないけど。

そんなことを考えながら俺が突きの構えを取ると、烏間先生と悠馬達―――俺と対峙する様に立っている全員が目を見開いた驚きの顔を俺に向けていた。

いや、正確に言うと見開かれた目は俺を捉えていない。その視線は俺の背後に向けられている。そう認識した直後、俺は背中に人1人がぶつかる様な衝撃を受けた。


「!!?」


俺と対峙しているメンバーは誰一人欠けていない。誰が?そんな思考と共に背中にぶつかって来た人物に視線を向けると、そこには涙を浮かべた有希子がいた。


「………有希子?」


何やってんだ?鷹岡を殺さないと、お前の身の安全が確保できない。あいつを守る烏間
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