押し寄せしモノ
ダークグラスパー
[7/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
スクを。御行儀が悪いだけなら未だしも、度を越した悪質なファンだったんです。……別格というべきでしょうね、凶悪かつ悪質なストーカーでしたから」
尤もな言葉ではあるが、世界まで超えてきたとなれば……もしかするとトゥアールの表現でも足りないかもしれない。
衣裳だけでなく、イースナは内面まである意味 “黒い” らしい。
『だからってリスク管理ぐらい出来るだろウガ。見境なくメールアドレス渡してたノカ、譲ちゃんはヨォ?』
「俺もアドレス握らされることはあるけどさ……流石に自分から教えたりはしないと言うか……」
ラースのコレもまた的確な発言に、まずはグラトニーの詳細よりもトゥアールの詳細を暴くべきだと判断したか、テイルレッドは追求せず彼の言葉に乗る。
「あの頃のイースナはとっても幼かったので、つい贔屓してしまってですね……ですがご安心を、もうストライクゾーンから外れてます。あの頃の少女って、少し見ない内に行き成り成長しやがりどおおおぅっはあああああぁぁぁぁ!?」
「うえっ!?」
刹那、言い訳をしていたトゥアールが派手に打ち上げられた。行き成り地面が長方形に切りぬかれて跳ね上がった事に、テイルレッドは驚きを隠せない。
発生源をさぐれば……其処に居たのはグラトニーだった。
「……言い訳がましいにも程がある。普通に……ムカついた」
ジト目なのだが目が険しい。
トゥアールの《自分に非は一切ございません》的な発言に、今まで耐えていた分が上乗せされ爆発したのだろうと推測できる。
ガツン、と洒落にならない音を立てて大地に激突したトゥアールだが、衝撃そのものは少ないのかよろけながらも立ち上がった。
「こ、こんな言葉を発するのにも訳があってですね……イースナはひどい時には一時間に六十通、それぞれ文面の違うメールを送ってくる人間メールサーバーと化してたんです……」
「うーわ、エレメリアンより怖いし……」
「……でも自業自得」
『ダナ。事実は変わらネエ』
確かにイースナの兇悪ぶりはトゥアールの語気が荒くなっても仕方ないと思える物だったが、もとはと言えばリスクの管理を怠って幼女にメルアドを送りまくった、他ならぬ本人にも非がある。
グラトニーとラースはその事を誤魔化させも、否定させもしなかった。
「うおっほん! ……兎に角、あの調子ならしばらく来訪は無いと考えて良いでしょう。その間にゆっくり対策を立てればよい事です。総二様には後でより詳しく御教えするので、私の部屋に来てもらえますか? 愛香さんには内緒で一人で。すぐに鍵を閉めますが機密保持の為ですのでご安心を―――」
「随分マナーの悪い、困ったちゃんなファンがい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ