押し寄せしモノ
ダークグラスパー
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ね上がりそうになる。
何せ『自分の声』が背後から響いて来たのだから。それもトゥアルフォンを介して声を変えているのだと瞬時に看破し、己の心を落ち着かせる。
……何をする為に編成機能を搭載させたか、そこを深くは考えないでおいた。
「……“ファン” のルビ振られた漢字、何か変だと思う……」
『其処に対するツッコミは無しダゼ……』
またグラトニー達がボソボソ言っている事も、彼女はなるたけ耳に入れないようにしていた。
兎も角……なんとか挙動を残しそうになるのを抑え、テイルレッドは深刻さを演出するのと、不自然な口元を見られないようにと、探偵の良くやる手の形を取って口元を隠す。
表情も変わらぬよう、険しいままで固定していた。
「依然と随分性格が変わったようですが……それも【グラスギア】とやらのお陰で?」
「いかにも。この【グラスギア】を纏いダークグラスパーへと変貌を遂げた時、妾は本当の自分と成れる。貴女の隣に並び立てる一流の戦士にな」
「……」
『ハ、一流も何モ……んな力使って誤魔化す時点デ、力だけなら未だしもその性格ハ、真にテメェのもんじゃあねぇンダヨ……』
聞こえぬよう呟かれたラースの言葉に、グラトニーは同意したかのように軽くうなずき、目を細めていた。
当然イースナと呼ばれた少女や、テイルレッド達には届いていない。
「あなたは属性力を奪われる事無く健在……と、言う事は侵略が終わるその前に、アルティメギルへ下った訳ですか」
其処に対してはやはり同法相手という事もあり、加えて見捨てた事実からの罪の意識が拭い去れないか、笑みも見せずバツが悪そうに頷くイースナ。
「しかし……基礎の技術ならまだ分からなくもないですが、【テイルギア】のシステムなら私のオリジナルの筈……何故、アルティメギルが保有しているのですか?」
「妾の心の力のお陰じゃな。そなたにずっとずっとずっと憧れ、そなたをずっとずっとずっとずとずっと見続けているうちに、妾の眼鏡へ不思議な力が宿っておったのじゃ。これとテイルギアの記憶を元に返信ツールへ改良したこの眼鏡を、妾は【神眼鏡】と呼んでおる」
(『うーわダッセェ……』)
誇らしげにメガネのフレームをつまみ、意気揚々と説明していたイースナであったが、グラトニーとラースのコンビからの感想は酷くド直球なモノだった。
恐らく二人とも絶妙的に微妙なネーミングセンスに、外側へ出す方は堪え切れても、内心でのツッコミの抑えが利かなかったのであろう。
……ちなみに話を聞いていたツインテイルズ三人は、同じ気持ちなのか目も口も横一文字で、何とも言えない表情となっている。
トゥアールだけは残念センスが共通してい
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