押し寄せしモノ
ダークグラスパー
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「さて話をするとしようか、ツインテイルズに獣の童女。そして……フフ、合いたかったぞ? 妾の盟友……トゥアール」
空間の揺らぎから現れた少女は、ゆっくりとテイルレッド達の方を振り向き、怪しげな微笑を顔に浮かべる。
黒い―――彼女を見て、彼等ツインテイルズが、寝転がったグラトニーが一番に思った事がそれだった。
テイルレッド等が着ている近未来的鎧……否、近未来的コスチュームに似た装備も、髪の毛も、全てが漆黒だ。
その様相だけでも十分興味を、疑念を抱くには十分だが、何より彼女が最初に口走った『この世界のツインテール戦士』という言葉が、よりそれらの感情をそそらせていた。
もしや別世界のツインテール戦士なのだろうか?
しかしそれならば……トゥアールは味方でありサポート対象である、テイルレッド達に真っ先に話している筈であり、ツインテールズが気圧される形で警戒する理由が無い。
と、なると話していない事になるのだが、それはそれで “何故伝えていないのか” という疑問が生じる。
伏せていた事情…………事と次第によっては、洒落にならない人物である可能性も首を擡げてくる。
誰が問いかけるのか、言葉を発するのか。
そう言った緊張感走る中、最初にその均衡を破ったのは―――
『お前、ツインテール戦士じゃあねェナ?』
グラトニーの 体内 より響く男の声……ラースだった。
「「「「えっ!?」」」」
「ほう……見抜いたか」
姿は見えないのに確かに耳へと届いた声に驚愕しあたりを見回すツインテイルズとは違い、ダークグラスパーは声の発信源を察したのかそれとも単なる余裕からか、胸を若干反らして堂々立ち尽くしたままだ。
されど、この声に一番驚いているのは……実はグラトニーであった。
「声……外に、出せる……?」
『どうも状態が不安定らしくテヨ。それに再生率も高くなった事が合わさッテ、声出しが可能になってるみてぇダゼ』
互いに交わしている会話の内容が分からない外野の者達は首を傾げるばかりだが、本人らは納得したか其処で黒衣の少女へと意識を向けた。
『見抜けた理由だガナ、お前からは【ツインテール属性】の他ニモ、より強い【眼鏡属性】を感ジル……それが答エダ』
「ふふふ……当たりだ、童女の協力者よ。妾のこの【グラスギア】は【眼鏡属性】を核ともしておる。これはトゥアール、ソナタへのあこがれが故に生み出せたものなのじゃぞ?」
言いながら視線を向ける先に居るのは、トゥアール扮した仮面ツインテールではなく、総二の変身したテイルレッド。
どうも黒衣の少女はレッドの事をトゥアールだと誤解しているらしく、気味の悪さが漂
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