新たな波乱が地に降り立つ
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ン》―――どちらも “腕” のエレメリアンが使っていた技だ。
本来、グラトニー自身の力とは、何の関係の無い技である。
それを自分が難なく使用出来ている事に、大なり小なり驚愕はしているか、グラトニーは己の右手を見つめて握ったり開いたりを繰り返す。
「Es apdegums!!」
『来タゼ!』
「……ウェルダン、お断り……!」
彼女のそれを隙と見たか、ウージはガーネット色の火の粉をまき散らし、同色の軌跡を引きながら、太い炎の腕がまた迫る。
「Un ?st, bet labi!!」
「《ブレーク=マグナム》!!」
対するグラトニーは数回掌底を空振りさせて『固定』し、能力による強化だけでなく打ちだした勢い “そのもの” まで固定された、柿色の腕を大火へと叩き込んだ。
これで何度目とも知れぬ、巨大な突発的な突風が吹き荒れる。
「Ahahahahahah!?」
「ひとっ飛びの……お返し」
先の意趣返しとばかりにウージは弧を描いて飛び、地面に着地できず乱暴に激突した。
突風が収まり晒されるのは、焼け焦げた大地、螺旋状に抉られる地面、複数の歪なクレーター、“何か” の燃え残り、小さな残骸の数々……。
……もうここが森の中にあった、工場跡地だとは誰も思わないだろう。
「Ahah!」
「うらっ!」
お互いの力技がぶつかった数瞬、漂っていた高揚感が嘘のように、声を発さず表情を変えず静寂が包む―――――
「Ahahah! Ahahahahah!! Ahahahahahahahah!!!」
「はあああぁぁ! うりゃああああぁぁぁ!! ジェアアアアァァァッ!!!」
また音が戻った時には、獣と見紛わん迫力の零距離戦が勃発した。
ウージが猛り狂って放つ、もう既に技も減ったくれもない剛?の嵐を、両腕とも『固定強化』を掛けた拳の乱れ打ちで受けとめ、グラトニーもまた吼える。
分かれに分かれて飛び交う焔の拳でさえ、ラースの力と “腕” の力を得たグラトニーとは互角でしか無い。
容姿が幼子な故に的が小さい事が、ここで利点と成り功を奏したのだ
『相棒! ラッシュだけじゃあだメダ! サポートしてヤル、成るだけ “固定” して溜メロ!』
「ん!」
応戦していても感じる高熱を、頬を掠めても洒落にならない熱波が過る攻撃に、一瞬の激痛を覚悟の上で一旦固定を解く。
「が……!」
「garoza!!」
「ま、だだぁ……!」
意識を手放しそうになる寸前でこらえ、倒れる事も勢いを緩める事もせず、ガツン! 途中の腕打ちつけた拳から、『柿色のオーラ』を纏わせて効果と強化を
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