新たな波乱が地に降り立つ
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『ソレ』は形は同じであれど、サイズは違う。模様すら同じで、しかし力の度合いが違う。決定的に違うのは、纏う力の色。
慣れ親しんだ己の “紫” では無く、ごく最近見かけたとある者の“柿”。
目を見張った彼女だが、目を疑った彼女だが……間違い無かった。
「……さっきの奴の……『固定強化』の腕……!?」
『ソレ』が “腕” のエレメリアンの一部であること、そして自分の左腕と成っている事が。
「……な、何で……?」
『説明は後ダ! “リスク” が来る前に動け相棒!!』
「りょーか――――いっ!」
会話中に空気を読んで攻撃しない事、説明中にちゃんと質問を返す事、漫画などでは必要な……しかし現実では隙を作る行為を、アルティメギルなら兎も角単純感情種は待っていてくれない。
振り降ろされたガーネットの炎塊をバックステップで一度回避し、腕をクロスさせて肘から先に『柿色のオーラ』を纏わせ二撃目を受け止めた。
「うううぅぅぅらああぁぁっ!!」
「!!」
次いで両手での掌底を、ズバァン! と叩き込む。
物体の『固定』という能力により簡単には壊れなくなり、更に『強化』される事と両腕なのも相まって、今までよりも簡単に腕を弾き返す事に成功する。
明らかに元々の使い手よりも質が上だが、しかしラースが『リスク』と言っていたように、長々続けては何らかの障害が出る事は間違いない。
世の中そうそう甘くは無いと言う事か。
「Ahahahahahahahahahahahahahahahahahahahah!!」
「また来た……!」
ウージの咆哮に一旦グラトニーは屈み、バネのように跳ねあがって迎え撃った。
突進と共に迫る右拳を左拳で、次いで向い来る左拳を右拳で、分岐して顔面を掴まんとする“第二の腕”を、予め長方形に固定していた地面を思い切り踏み込む事で、せり上がる壁を作り防ぐ。
幸運にも前のめりになっていたウージの顎を打ち抜くと、押し込まれていた拳から力が抜ける。そこを逃さず、『柿色の左拳』で壁を殴りつけた。
「すぅ―――《ブレーク=ショット》っ!!」
砕ける直前に『固定』された岩石群が、散弾と成ってウージへ襲いかかる。余りの速度に流石のウージも反応しきれず、また焼き尽くしきれず幾つも一辺に食らう。
後頭部から倒れてすぐ、声もあげずに興奮状態でガバッと置き上がれば、
「これが―――《ブレーク=キャノン》っ!」
「!!!」
巨大な岩石塊が自分目掛けてすっ飛んできて、一言も発せずブッ飛ばされた。
散弾の如く瓦礫を吹き付ける《ブレーク=ショット》に、ドデカい塊を打ち放つ《ブレーク=キャノ
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