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詩集「棘」
君への想いは棘となって…

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気の長い秋の夜 更けてく
見上げた滲んだ星空は
一体…誰のせい…?

遠く迫るような山陰
月明かりに響く虫の音
淋しい心に…沁みて…

笑い声も聞こえない…
静けさだけが こだまする…

君への想いは棘となって
心の奥へと突き刺さる
この秋が深まるにつれ
疼いて恋しさ 呼び醒ます…


緩やかな昼下り 流れる
陽差しの注いだ風景は
どうして…こんなにも…

高く置いてくような青空
一人だけで走ってく道
どこまで行っても…切ない…

このまま会えないのかな…
冷たい風に目をつむる…

君への想いは棘となって
忘れることさえ拒んでる
陽だまりに浮かんだ幻(カゲ)は
君との思い出 呼び醒ます…

すくい上げた時間(トキ)は
手のひらから零れ落ちて
儚い夢へと消えてゆく…

君への想いは棘となって
心に愁いを刻みつけ
眩しすぎる月の光に
溜め息ついて 苦笑した…

君への想いは棘となって
心の奥へと突き刺さる
この秋が深まるにつれ
疼いて恋しさ 呼び醒ます…




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