暁 〜小説投稿サイト〜
東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
第0章:幻想に囚われた少女
プロローグ:幻想世界に輝く流星
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そういえば用を聞いていなかった。まあ大抵彼女が来るのは暇潰しくらいのものだが──
「っと、そういえば今日だったわね。『流星祈願会』」
「なんだよ、忘れてたのか?」
不満そうにぷうっと魔理沙が頬を膨らませる。『流星祈願会』は文字通り、この季節になると行われる流星観察、及び流星に願いを乗せる会である。参加者は自分と目の前にいる霧雨魔理沙、そして森近霖之助の三名。四、五年前から毎年行っているが、これがまた美しいのだ。魔理沙のスペルカードに含まれるような星の魔法は、ここから来ているものが多い。
「で、紫は何て?」
「場所は無縁塚、東の空だとさ。今年は特に流星の数が多いらしいぞ」
「へぇ。じゃあ、夜まで時間を潰しましょうか」
「おう!」
井戸から神社の入り口へと戻り、魔理沙も後に続く。戸を開け、入ろうとした所で──
「……?」
何か、勘のようなモノが、霊夢にその違和感を知らせた。
──何かが来る。何か、異質なモノが来る。
「────。」
「おい、どうしたんだ霊夢。ぼうっとして」
「え?ああ、何でもないわ。早く入りましょ」
気の所為だろう。神社境内に敵対気配は無い。それどころか、ここら一帯に張り巡らせている大規模結界にすら霊夢の勘に訴えかける程の強大な気配などない。
気を取り直した霊夢は、魔理沙を神社に招き入れると、自らも神社の中へと消えた。
──一方。
「じゃね!また明日!」
「ん、また明日」
■■■■は唯一無二の親友に手を振りながら、自転車で自らの帰る家へと進路を向けた。
2028年10月29日。月初には未だ暑かった空気が、今や手の平を返すように寒さが増している。
冷え込む夕方の帰り道を、力一杯ペダルを漕いで進む。
少し校則を破って付けているイヤホンからは、大好きな「ラストリモート」が流れている。これが終わればすぐさま「妖魔夜行」「亡き王女の為のセプテット」etc…と順に流れるよう設定済みだ。
学校から家までの道のりは20分程度。が、それだけあれば5曲は聞ける。この時間も■■■■にとっては生活の楽しみの一つだ。勿論最大の楽しみは家の机の上に並ぶ嫁……ゲフンゲフン、ルーミアちゃんのフィギュア'sを愛でる事である。愉悦。って私は何処の麻婆神父だオイ。
まあ兎に角帰ろう。母は門限に厳しい、少しでも遅れればアホみたいな量のペナルティ予測可能回避不可避だ。
しばらく自転車を漕ぎ続け、信号待ちの為に自転車を降りた。
──丁度、その時であった。
「……ん?」
丁度右手側に、見た事の無い小道があったのだ。気付かなかったのか
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