Fate/stay night
1109話
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重ね掛けが厄介なのよ。迂闊に攻撃しても結局生き返るんだから」
「……まぁ、それは確かにな。まさか心臓を破壊して、更にその肉片まで掴み出してやったのに、あそこから生き返るとは思わなかった」
未だに手には相手の心臓を破壊し、肉片を抉り取った感触が残っている。
あの状態からでも蘇生するというのは、厄介以外の何ものでもない。
「しかも、イリヤは3回殺したって言ってたじゃない。つまり、重ね掛けされた蘇生魔術は最低でも3回以上って事になるのよ」
「……確かに厄介だな。けど、負けるつもりはないんだろ?」
「それは当然よ」
一瞬の躊躇いもなく断言する凛。
サーヴァントの俺とバーサーカーでは、宝具こそ使えないけどステータス的には俺が有利なのを考えると、総合的には恐らく俺が若干有利。
マスターの凛とイリヤでは……イリヤの具体的な能力は分からないけど、それでも凛が魔術師として一流なのは間違いのない事実だ。
イリヤにしても、話を聞く限りでは相当の腕利き魔術師なのは確実だろうが、10歳程度の子供だとたかが知れてる。
「なら、そんなに悩む必要はないだろ。……ああ、そう言えばバーサーカーのステータスがその数値だったって事は、俺の持ってる対英雄のスキルは効果を発揮してなかったのか? ……その割りには拳の一撃であっさりと心臓をぶち抜けたけど」
俺の持つ対英雄のスキルは、相手の全ステータスを2ランクダウンさせるというものだ。
なのに、ランクダウンさせられても全てがA以上であるのなら……少し薄ら寒いものを感じる。
だが、凛は俺の意見を首を横に振って否定する。
「その心配はないわ。恐らく対英雄でステータスがランクダウンしても、その数値はマスターが見えるステータスには反映されないのよ。じゃないと、バーサーカーの場合、全ての能力がEXになってしまうじゃない。さすがにそんな反則的なステータス持ちを、アインツベルンの魔術師であっても制御出来るとは思えないわ。……ただでさえ、バーサーカーというクラスで扱いにくくなってるのに」
「だと、いいんだがな。俺も相手のステータスを見る事が出来ればいいんだが、それはマスターの特権らしくて出来ないらしいし」
夜道を歩いていると、不意に冷たい風が凪がれてくる。
「凛、少し急いだ方がいい。もう日付も変わってるし、ここで体調を崩して風邪なんか引こうものなら、それこそ聖杯戦争に悪影響が出てくる」
「そうね、こういう時は暖かくしてゆっくり休むのが一番よ。幸い明日は日曜だし、多少寝坊してもいいのはラッキーだったわね」
凛の朝の弱さを考えれば、確かに色々な意味でラッキーだったのだろう。
学園のアイドル遠坂凛、知られざる素顔。……とか写真にして売ったら、物凄い稼ぎになりそうだ。
まぁ
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