Fate/stay night
1109話
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「……行った、のかしら」
バーサーカーとイリヤが消えてから数秒が経ち、凛が呟く。
ヘラクレスとか、正直馬鹿じゃねえの? って言いたくなるくらい卑怯な感じだ。
そもそも聖杯戦争の要素の一つでもある知名度補正とかで、思い切り有利だろ。それに比べて、俺は自分の真名すら思い出せないイレギュラークラスだぞ。
もっとも、そのイレギュラークラスのおかげでステータスとかスキルは色々と凄い事になってるんだが。
そっちは俺の生前が原因か?
まぁ、なにはともあれ……
「そうだな、取りあえずバーサーカーとイリヤは撤退した訳だが……問題は別にある」
凛に答えつつ、未だに俺の前に立ち塞がっている衛宮へと鋭い視線を向ける。
「俺は何も間違ってはいない。そもそも俺が聖杯戦争に参加するのは、この馬鹿げた戦いで被害を増やさない為だ。それなのにあんな小さな女の子を攻撃するなんて、アークエネミーの方こそ本気か?」
「当然だ。これは聖杯戦争なんだぞ? イリヤとか名乗ったあの女にしたって、全てを承知の上で聖杯戦争に参加しているんだ。なのに、殺せる時に殺さない……どころか、それを邪魔するとかなんのつもりだ?」
「だから、人を殺しちゃいけないんだ!」
「……話が噛み合っていないな。今も言ったが、これは聖杯戦争。魔術師同士の殺し合いだ。向こうもそれを承知の上で参加している。それに見ただろう? 向こうは完全にこっちを殺す気だった」
正確には衛宮とセイバーにイリヤの殺意が向いていた気がするが。
何かこの主従とイリヤには関係があるのかもな。
「それでもだ! 絶対にあんな小さな子供を殺すのは認められない」
「……本気か?」
「何がだ?」
「お前の言ってる戯れ言だ。本当にイリヤを殺さず……それどころか、お前の話を聞く限りでは聖杯戦争に参加している相手を誰も殺さずにこの戦いを終わらせると?」
「ああ」
俺の問い掛けに、一瞬の迷いもなく頷く衛宮。
それを見ながら、俺は凛に向かって口を開く。
「凛、この甘ちゃんは立派な聖杯戦争の参加者だな?」
「え? ええ。そうね」
「別に手を組んでいる訳でも、同盟を結んでいる訳でも、共闘している訳でもないな?」
「……そうね」
「なら……こいつをここで殺しても構わないか?」
「っ!? アークエネミー! シロウはやらせません!」
俺の言葉を聞いていたセイバーが、例の見えない剣を手に俺と衛宮の前に立ち塞がる。
「やる気か? まぁ、確かに衛宮が殺されればお前の負けは殆ど決まる。……いや、凛なら俺以外にセイバーのマスターになる事も可能かもしれないぞ?」
俺の魔力生成のスキルで、サーヴァントに送る魔力よりも多くの魔力が凛には流れている。
つまり、もう1人くらいサーヴ
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ