4部分:第四章
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「あんた」
家の中に賭場で見たままの格好の女房がいた。本当にそのままの姿であった。
「よ、よお」
熊は真っ青な顔のままそれに応えた。
「今帰ったぜ」
引き攣った笑いと共に。だがその笑いも今や空しいだけであった。
「今何時かわかってるんだろうね」
「ま、まあな」
その真っ青な顔で答える。
「いないと思ったらふらりと帰って来て。またあそこにいたんだね」
「わ、わかるのか」
「わかるんだよ。いつものことだから」
「そうか」
「そうだよ。それでね」
目がさらに剣呑なものになっていく。その目で言う。
「覚悟はできてるんだろうね。ここはチビ達もいるから」
そう言って立ち上がってきた。それからまた言ってきた。
「表で出ようね。いいね」
「ああ・・・・・・」
後はもう言うまでもなかった。熊はその夜女房に散々な目に遭った。それは何よりも怖ろしいものであったのは言うまでもない。
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