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ソードアート・オンライン -旋律の奏者-
アインクラッド編
龍皇の遺産
クエストに出掛けよう 01
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こにいるであろう最終ボスを倒せばゲームクリア。 つまり、現実世界に帰れるのだ。

 とは言え、プレイヤー全員が解放のために危険なボスモンスターと戦っているわけではない。
 HPがゼロになった時点でアバターは四散し、現実のプレイヤーも死に至る。 おまけに蘇生手段も皆無の超ハード仕様なのだから、最前線で戦うプレイヤーが少数になるのは当然だ。
 いつの頃からか攻略組と呼ばれるようになった彼らは、幾つかのグループに分かれ、それぞれに戦っていた。
 僕とアマリも攻略組に名を連ねている。

 2024年10月。
 現在の最前線は74層。 残るフロアの数は26。 生存者は約6000人。
 それがアインクラッドの現状だった。









 「クエストですです?」
 「うん。 ハイレベルの素材が報酬らしいよ」

 和やかな雰囲気の朝食を食べながら、僕とアマリは今日の方針について話していた。
 クエストを受けつつフィールドや迷宮区でのレベリング兼マッピングが僕たちの基本方針だ。 クエストをクリアすれば戦闘に有用なアイテムが得られるし、そこまで多くはないにしても経験値が加算される。 とは言え、受けるクエストは討伐系がメインで、それは完全にレベリングのついででしかない。

 そこを踏まえて今回のクエスト。
 クエスト開始地点は70層にあるダンジョンの最奥。 そこにクエストNPCがいるそうだ。
 最前線から4層降りると言うことは、言うまでもなく攻略に直接の関係はないし、レベリングを目的にするにしても、やや物足りない感は否めない。 アマリが首を傾げるのも当然だろう。
 それでもクエスト報酬として素材が貰えると言う情報を聞いて、アマリはすぐに納得してくれた。

 僕もアマリも、武器はプレイヤーメイドだ。 知り合いのぼったくり鍛冶屋さんに依頼して作ってもらったわけだけど、それもそろそろ強化しないと最前線では通用しなくなってきている。
 僕たちは今まで使っていた武器をインゴットに戻して、それをメインにいくつかの素材を注ぎ込んで武器を作ってもらってきた。 現実的なプレイヤーには『何を馬鹿なことを』と笑われるだろうけど、それでも僕にとって武器は自分の分身で、そしてアマリにとってもそうなんだろうと思う。
 だからこそ、僕たちの武器を今以上に強化しようと思うと、それ相応の素材が必要になる。 そこにきての今回のクエストだ。

 僕が自分で集めた情報と、とある鼠の情報屋さんから仕入れた情報とを合わせて判断すれば、このクエスト報酬がレアな素材であることは間違いない。 僕たちにとっては願ってもないクエストなのだ。
 そして、僕にはそれとは別に、このクエストを受けたい理由がある。

 「正直なところ、今のままだと最前線はちょっとき
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