一話、どうやら俺は主人公殺したようです―――プロローグ
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涛の叫び。
「またすか、先輩……。てか、あんたまだ生きてたんすか」
呆れながら木場祐斗に言う。
その木場祐斗の姿はもはや、ボロボロ。
正直、みっともない。
「うぉぉぉぉぉおおお……ッ?? 魔剣創造《ソード・バースト》ッ」
「いや、話聞けや」
木場祐斗の雄叫びと、彼自身が受け持つ、悪魔の駒であるナイトの特性であるスピード。
そして、彼の用いる神器から生まれた無数の剣の中から、選んだ二つの剣を両手に、その力を十二分に生かした特攻が飛び交う。
「祐斗待ちなさい??」
リアス・グレモリーは止めようとするも、当の本人は暴走するばかり。
まあ、やはり木場祐斗は速かった。
恐らく、彼の姿を捉えているものは此処にはいない。
流石、悪魔の駒というドーピングで幾らかは、突出したものがある。
ただし、俺を除いて。
俺は、酷く緩やかに見える木場祐斗の疾走を、ぼーっと眺めながら、聖剣の力を再び解放した。
『―――っん』
自身の体から流れ出る因子を、ちょびっとだけど、聖剣へと注ぎ込む俺。
そして、それらを受け止める聖剣。
光が放出される。
轟々と生まれる風を追い風に。
その追い風に、聖剣の光を乗せ、神秘的な明かりを、暗闇に灯す。
次第にその光は俺の全てを包み込む。
輝きは絶頂に…………そして――――――爆ぜる。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「おーい、生きてますかー?」
ツンツン、ツンツンと、棒切れで、眼前の物体を突っつく。
「………このままじゃ死ぬね」
周りには、力なく倒れている複数の悪魔。
その内三人は、もう直ぐ死ぬ。ただし、このまま放置していたらの話だ。治療を施せば、どうにかなるだろう。俺はしないけど。
恐らく、彼等のお仲間さんたちが来るみたいだから、ほっとこう。
『勇………デクタ、目標が―――』
聖剣の意思が、僅かな焦燥を含みながら、俺に言う。
………分かってます。
どうせ、生き返るとは思っていた。
どうせ、あのアーシアという魔女に助けられるとは想定はしていた。
俺が申し訳程度の『エクスカリバーァァァ……??』を放った瞬間。
あのアーシア・アルジェントは動いていた。いや、彼女は既に意識は飛んでいるのにも関わらず、彼女自身の神器が勝手に、奴を治療したのだ。死んでいたはずの兵藤一誠を。なぜ一度死んだ命を生き返らせることができたのか、それはもう謎の力と思っとこう、うん。考えるの面倒くさいし。
俺はしくじったなぁ、なんて自分の甘さに反省しつつ、アーシア・アルジェントに、緊急治療を施された主人公兵藤一誠を見やる。
そこには生気をほんの僅かにやどし
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