一話、どうやら俺は主人公殺したようです―――プロローグ
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、とでも思っていたのだろうか。
そんな希望を抱いてるのなら、其れが若干嬉しくもなくもないけど。
だが、俺はそれを、否定的な言葉で制す。
「違う、俺はただ殺したんじゃあない。殺されかけたから殺されたんだ」
「俺は何もしてないのにも関わらず、彼になんの危害を加えていないのにも関わらず……彼は俺を殺そうとしたんだ」
「いや、語弊があった。彼自身……兵藤一誠は俺を殺す気はなかったのだろうけど、彼はどうやら悪魔としては、半人前の半人前の半人前らしくて」
「いやはや、本当に殺されるかと思った」
―――余りにも拙すぎて。
と、俺はスラスラと啖呵を切ったそれは、塔城小猫にひとたりとも口を挟ませない。
だが、それも一瞬で、俺の軽口は直ぐに妨げられた。
その原因は俺の視線の先にあった。
その先とは―――
「姫島朱乃……」
―――やはり貴方は私が調教すべきでしたね。
俺の真上からの聞こえたそれは、眩しい光と同時に放たれたもの。
おそらく彼女が得意とする雷撃魔法だろう。
雷速は光速よりは速くはない……だが、音速よりは遥かに速いのだ。
その速さとは、一般人どころか上級悪魔にとっても逃れることが困難な速度。
でも……ただそれだけである。
持ち主が姫島朱乃である場合は別なのだから。
まあ、現実の雷速はそれであって、彼女、姫島朱乃が自身の魔力を触媒とした、魔法陣からなる雷撃は、もっと遅いけどさ。
てか、魔方陣生成すること自体も、結構ロスタイムかかるし。だから、なんとなく打つ方向すらも読めるというわけであって。
「狙いが甘いわ、ボケ」
雷撃から放たれた後から、同時に響く爆音を耳に、俺はそう言う。
そして、異能を使うまでもなく、その雷撃を避けた俺は、そのまま姫島朱乃へ飛び出す。
まあ、一応、殺されるような攻撃されたからね。
雷撃とか人間普通に死ぬし。俺も一応、人間にカテゴリされるし。
「だったらさぁ、殺してもいいよねお前」
「―――っ??」
一瞬にして、俺は姫島朱乃の眼前へ迫る。
その一瞬を作ったのは、勿論俺自身ではない。
その正体は、俺の手の中にある―――聖剣だった。
まあ、詳しいことはいつかまたとして。
俺は、硬直してしまった標的である姫島朱乃の隙を逃すことなく。剣の柄を、溝のど真ん中に、ドスンと軽く打ち込む。
「ごふっ……かはっ」
聖剣の柄で行った溝内は、姫島朱乃に短い嘆息。
そして、ごく少量の血を吐き出し、白目を剥けさせた彼女は、そのまま地面に、バサッと巫女服のかさばる音をとともに、突っ伏す。
まあ、殺しはしないけど、さ。あくまで今は。
「貴様ぁぁぁぁぁ??」
後方からくるのは、怒りと憎しみの篭った怒
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