2部分:第二章
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「といっても何時何処で起こるかわからないものだからな」
熊は彼に対してこう述べた。
「怖がっても仕方ないんじゃないのか?」
「そうかな」
だが地震を怖がる彼はそうは思ってはいないようであった。
「とにかく怖いものは怖いんだ」
「ふうん」
熊は鉄火巻を食べながらその話を聞いている。海苔の硬い食感と山葵醤油を効かせた鮪の濃厚な味が口の中を支配する。そこに酢と白米の味も加わり絶妙な味となっている。
「地震が起こるって聞いただけでな」
「けれどな」
熊はそんな彼に忠告めいたことを述べてきた。
「地震が起こったら逃げるんだよな」
「ああ」
彼は頷いてそれを認めた。
「それは止めた方がいいぜ」
「そうなのか?」
「そうさ。それよりはどっか狭い建物の中に隠れたり机の下にでも隠れろ」
「それがいいのか」
「道に出るよりはずっと安心だぜ。それに落ち着いてな」
「狭い建物か」
彼はそれを聞いて考える顔になった。それからまた述べた。
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