料理
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せない……!)」
「料理一つに……これほどの灼熱と業火、そしてパワーを秘められるなんて……! 身体の奥底から溢れんばかりの凄まじい力が湧き上がってきます! まさにマキシマム!! ただ少し疑問があります。確かに味自体は本当に美味ではありますし、戦意高揚の副次的効果もありそうですが……」
「ルール的にどうなのだ、この麻婆豆腐は。今まで食べた事が無い辛さだが、当初の目的である携帯食料にしても大丈夫なのか? そこで気絶してるレヴィや会話になってないシャロンのように激辛が駄目な者もおるだろう?」
「レーションに加工する予定ではこの辛口の他に、一応誰でも食べられる甘口も用意するつもりだ。まぁ、辛口でもやり過ぎだと判断するなら、次からはもう少し控えめにしておく。結局味をどうするかは審査員に任せよう。あと補足として言っておくが、香辛料たっぷりなこの麻婆豆腐は長期保存も出来るぞ」
『ロングライフ飯としての能力は、わざわざ加工しなくても既に持ってる訳なんだね。ところで審査員は誰なの?』
「わかりませんけど、判断するのはそれなりに発言力がある立場の人間ではないんですか? もしかしたら社長が直々に食べるかもしれませんね」
「を……ぅ……ボク、は……も……ダメ……。……後は……任せた……」
ユーリが変わった冗談を言ってる隣で、こっちの審査員はギブアップ宣言をしていた。ある意味一番とばっちりを受けたのはレヴィだろう。お口直しに後でデザートでも作ってあげよう。余談だけどサバタさんはデザートを作れないらしい。理由を尋ねた時には“太陽の果実”を食べると腹痛がどうの、と言ってた。事情はともかく、デザート作りは私が料理で彼に勝っていると宣言できる分野であった。
そして料理を終えた私達が食堂を出た後、黒いサングラスをかけて黒い背広を着た一人の老人がひっそりとやって来て、サバタさんが作った麻婆豆腐を食べて感想を漏らす。
「ん、想像以上に美味い。試しに私兵部隊に配給してみて、評価が良ければ正式に採用してみるか」
後日、『ピュ―ブル・アルメマン』、『プレイング・マンティス』、『レイブン・ソード』、『ウェアウルフ』、『アツェロタヴァヤ・ヴァトカ』の各PMCの兵士の間で、とあるレーションを食べた直後は異常にパワーアップするという噂が流れたらしい……。
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