第十四話:事件勃発
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すと……俺は額をかき上げマリスにキスを、楓子にデコピンをかましてやった。
「……コレでは誤魔化せない。麟斗、ちゃんとして」
「うぼあっ!? 何で私の方は暴力ーっ!?」
なんて喚く二人だが―――次の瞬間、俺は左手に『何か』が走った感触を受ける。
見ると、マリスも同じらしい。
「………………恐らく、完全《婚約》完了の、証……」
「みたいだな」
確かに《婚約》の設定の内、爆発しない為には完全《婚約》結ばねばならず、そしてそれはキスによって成立する設定ではあった。
だがしかし、『唇を重ねろ』……とは言われていない。
そっちに賭けてみたが、中々どうして上手く行った。
これで何の反応が無くても、恐らくマリスの方には何らかの変化を伝わるだろう。
今回の博打は成功という訳か。
「ふーんだ! せいぜいがんばってよね! 《婚約者》さん!」
「……麟斗、最後まで一緒に戦い抜こう」
見ると、楓子は畳に寝転がって不貞寝を始め、マリスはかなり残念そうな空気を漂わせている。
だが知ったこっちゃ無い。
マリスと《婚約》を結ぶのが目的なら、それを達する事が出来れば良いのであり、今は手段など選んでいられなかった。
それに楓子が不貞腐れるのはお門違いだ……何せあいつ、この事態において全く関係ないし。
「くだらねぇ」
呆れ顔でそれだけ吐き捨てると、俺はかたまった首をゴキリと鳴らした。
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