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少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
第十四話:事件勃発
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いていられなくなり、脳天目がけてまず拳骨を落としてやる。
 ガックリと下がった頭に続けてチョップ、最後に左アッパーで思い切り後ろに倒した。


「説明しても怒るなんてぇ……グスン」


 戯言は放って置き、俺は眉をしかめる。嫌な気分になるのは当たり前だ。
 なにせお約束だかなんだか知らないが、様は非常にめんどうな事態を引き起こしてしまい、しかもあろう事か俺がその “約束” というふざけた状況……もっと言うならトラブルの渦中に巻き込まれてしまった。

 これ以上最悪な事は他にないな。

 何だ? 俺が家族を内心蔑ろに扱ったから、天罰が下ったとでも? 
 ならこの世界は、随分女性に優しい世界だこった。
 トラブルを引き起こしたのも、馬鹿を見る必要があるのも……楓子の方だと言うのに。

 とにかくキスはやりたくない。
 好きでもない奴と唇を合わせるなど、しかもよく分からない堕天使となど、真っ平御免だ。
 ……だが、爆発する可能性がなぁ……。


「……麟斗」


 誰かを睨み殺さんばかりに顔を顰めていると、マリスが寝転がった体勢そのままに、唇をにゅっと突き出して来た。
 その様相、まるで下手糞の描いたタコのごとし……即ち全く可愛くない。

 コイツに恋している奴がいたら、これを見た途端ソレはまやかしだったのかと、大口を開けて我に返りそうなぐらいだ。
 ほんとクソったれなぐらいブッサイクな顔、もう色気も減ったくれもなく、顔面の筋肉やら神経やらを使うのが、酷いと即決で口にできるぐらいに不器用過ぎる。

 そして……こういった事態で、あの『バカ』が何の反応も起こさない訳もなく―――


「ダメーーーッ! キスは駄目―――ッ!」


 ほらな、楓子(バカ)戯言(バカ)を言いながら飛びこんできた。
 さっきまでパートナーと成る事を喜んでいたくせに、数分と経たずもうコレだ。
 食事の時と言い、意志がブレブレにも程があるだろが。


「……楓子は立案者。なら知っていた筈、なのになんで邪魔をする?」
「だってマリスたんが言うまで忘れてたもん! キスしなきゃいけない設定のこと!」


 コイツがいかに脊髄反射でノートに書きつづり、その場の勢いの身で行動しているかがよくわかることばだ。
 そう言えば前に、ノートを書いている時不意に神が降りて来るとか、そんな世迷い事を聞いた様な気もするが……。

 まあ、それは即ち “こう言う事” なんだろうな。


「何故止めた? キスしなければ死ぬってのに」
「大丈夫、兄ちゃん1人じゃ死なせないから。大丈夫……私も一緒に死ぬよっ、うるぶッ!!」


 コイツと死ぬのだけは本当に御免だと、行動で示すべく擬音を口に出そうとしたデコの頭を掴
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