第十四話:事件勃発
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なかった。
憤激の “ふ” の字も見当たらないまさかの大歓迎(男が大多数)。より一層熱狂した歓声で迎えられていた(女は例外)。
世も末だ、とは恐らくこう言った事態をさして言うのだろう。
お前ら何の為に、今まで『MAIK@』とかいうアイドルを追っかけてたんだっての。……何かがあって、それで乗り変えるなら兎も角……コンサートを乗っ取ったガキのファンになってどうすんだ。
女性ファンがいなかったら、今隅っこで呆然としてる〔MAIK@〕、涙目になってた事請け合いだぞ、オイ。
『次のニュースです。少年マンデーで連載中である〔海のオリオン〕でも有名な、漫画家〔暁海雄〕氏が、本日午後何者かの手によって連れ去られ―――』
今度流れてきたのは、普通に洒落にならない誘拐事件だった。
されど……猛烈に嫌な予感がする。
『―――安否が気遣われた矢先、暁本人から電話があったとの事で……夏コミに間に合わせるため同人活動を急遽開始する事にした〕、〔アイシャリア様のおっぱい超最高〕……などと、まるで意味不明な言葉を残しており、捜査本部は犯人が薬物で錯乱状態に陥らせていると見て、調査を進めています』
嫌な予感が当たりやがった。嬉しくない。
今日に限って、全く外れてくれやしねえ。
今出た名前は―――――これもまた【A.N.G】の内一体である、アイシャリア=ロナ=怜美の物なのだ。
……何で英語圏っぽい名前なのに、良く分からないミドルネームが入っていたり、無理矢理ルビをふった漢字が入っているのかは、頭が痛くなるためスルーが望ましい。
「兄ちゃん、あたしもアイシャリア様の巨乳に魅了されたいよぅ」
「……」
「あれ? ゆっくり手を上げたけど何がしたいの兄ぢょん!!??」
指を咥えて物欲しげにしていると言う、非常に腹が立つ顔をしていた楓子を横目で見てしまい、放って置こうとはした。
したものの……しかし言葉の内容を思い出して、反射的に手刀がバカの頭に叩き込まれた。
少しばかりスッキリ。
だが当然、何も解決していやしない。
「……何がやりたいんだ、【A.N.G】共は……」
「…… “何をしでかすか分からない” 、私はそう言った筈」
「だからって……」
コレは無いだろコレは。
どれもこれも事情を知っている物からすれば、クソったれなほど微妙なんだよ。
「マリス、お前ものんびりしていないで、アイツらが暴れたのなら捕まえに行きやがれ」
「……それは無理。一定以上の魔力を使用した場合、それを波動としては感知できる……けれど、この程度では何も分からないも同義」
「なるほどな……」
キケロクロットの馬鹿な事件や、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ