7部分:第七章
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この辺りはあまり要領を得ない返答をするダルタニャンだった。
「そうだと思うけれどね」
「そうだとって」
「ジャンと会ってから随分と経つけれどさ」
彼はパリに来てすぐにジャンと出会った。そのうえで主従の関係になり今に至る。本当に長く深い関係になっているのだ。何年もかけた。
「それまでパリにはいなかったからね」
「パリのことはあまり御存知ないですか」
「うん、その時のことはね」
「そういえばそうですか」
「僕の田舎は食べ物にはあまり困っていなかったけれど」
「ついこの前まで酷いものでしたよ」
今二人は塔の階段を下りていた。二人並んで話をしながら下りているのだ。
「本当にね。堅いパンしかなくてチーズだって」
「どんなのだったんだい?」
「干からびてるか腐りそうなのばかりだったんですよ」
顔を顰めさせて述べていた。
「あんまりだったんですよ」
「酷かったんだね」
「それがまあ。変わりましたね」
首を少し捻って述べるジャンだった。
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