第六十二話
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……」
「………」
沈黙がその場を支配した。
「っまあ!製作者名なんて殆どの場合気にする事は無いと思うよ!実際俺達が使う武器もオーダーメイドだ」
「……結構必死ですね?」
「ああ、鍛冶スキル持ちは貴重だろう?高熟練度ともなればなおさらだ。このまま彼がフィールドで命を落とせばどうなる?」
それは…なかなか厳しいな。
「だから出来ればフィールドに出なくてもいいような稼ぎが欲しい。最悪俺達が全滅してしまっても生活できるような、な」
他人のことを考えられるリーダーは本当にすばらしいと思う。
まあ、いいか。
製作者名を気にしなければオーダーメイドの武具職人と知り合えるのだから。
「よろしくお願いします」
「そうか、良かった。とりあえず、後でヴィータに素材を渡すといい。今の店売りよりは高品質の武具が出来るだろう」
「はい」
「それと…」
今度は少し雰囲気が変わる。
「すまないなシリカ嬢。男同士の話がある。少し外してくれないか?」
「え?」
「ツキの奴が君にあげたい物があるそうだ。向こうの部屋に居るから行ってくれると助かる」
「アオさん?」
どうしたらいいでしょう?と目線が訴えている。
「行ってきて」
街はアンチクリミナルコードに守られているから、よほどの事が無ければ安全だ。
よほどの事と言うのも『回廊結晶』と言う、かなりレアなアイテムを使わない限りと言う事になるが…
記録した地点までのワープゲートを作り出すアイテムで、このレア度は転移結晶をはるかに上回る。
そんな高価なものを使ってまでなにかを仕掛けてくる事はまぁ、まず無いだろ。
退席するシリカを見送るとルイが話を続ける。
「話と言うのは他でもない、この世界についてだ」
「この世界?」
「ああ、皆前世の記憶があるし、こんな非常識な事が起こるんだ。この世界はこのデスゲームを題材とした漫画やアニメの世界ではないのか?と皆考えているんだ」
ふむ。
「それで?もしそうならどうするんだ?」
「っ!アオはここが何の物語の世界だと知っているのか?」
ちょっと落ち着け。
冷静になるのを待ってから話しかける。
「いえいえ、さすがにこんな展開の話は記憶に無いですね」
「そっか、そうだよな…わりぃ興奮しちまった」
結局どう言う確認なのか。
「それはな、俺達の意見としては、もし、ここが物語の世界で、もし皆ハッピーエンドになるのが約束されているのなら、攻略はやめ、安全第一で低層での狩りのみで生活しようと思ってね」
物語は原作が一番良い様になっているのだから、改変する事もあるまいと言うの
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