第六十二話
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がってしまう。
ほぼ受け付けないと言ってもいい。
これではHPは減らない。
必然的に適正レベルより少し下のMobとなるのだが、それは死の恐怖が付きまとうので、普通の精神の持ち主ならば選ばない。
ならば、と毒属性もちの剣は無いのかと言えば、ある事はあるそうだ。
しかし、結構レアドロップ品らしく、普通のプレイヤーには出回らない。
さらに貫通継続ダメージもHPは減少するのだが、ジクジクとした痛みを四六時中受け付ける精神的な強さがあればの話だ。
そんな中で光明が射したのが今回の毒湿地帯。
毒も多少の酔いのような感覚はあるが、痛覚よりははるかにマシだった。
とは言っても、ここは最前線より低いが、それなりに高レベルな階層で、ここまで来れるプレイヤーはまだ少ないために試行錯誤が殆ど行なわれていない。
有る意味俺達が一番乗りか。
現段階ではバトルヒーリングで回復するHPよりも毒で受けるダメージの方が大きく、戦闘を伴えば命の危険性すらある。
シリカは時折自分でポーションを使用してHPを回復させつつスキル上げを行なっているが、気を利かせたピナのヒール効果も上乗せされるので実際はノーコストではなかろうか?
数日、そんな地味な作業を続けていると、索敵範囲内に大量のMobを引きつれこちらへと走ってくるPTを感知する。
「おいおい、なんかやばそうだよ」
「何があった…あれ?これは」
シリカも自分の索敵マップを見たのだろう。そこに現れる大量のMobの光点。
「ちょっ!やばくないですか!?」
「こっち来てるのがやばいな」
モンスターをトレインしてくるPTがこちらへ駆けて来るのが目視で確認できる。
このままではMPKもありえる話だ。
俺は直ぐにスキル上げを中断すると、アイテムを使ってクゥの状態異常とHPを全回復させると同時に耐毒ポーションをシリカ、ピナ、クゥに使用し、再度自分に重ねがけをする。
この辺りのモンスターは状態異常攻撃がデフォルトなので、安全に戦いたかったらどうしても耐毒ポーションの服用は免れない。
遠くの方でこちらに向かうPTの怒声が聞こえる。
「っあ!」
こちらに向かって一生懸命に先頭を走ってくる痩身の長剣使いの男。
「何だよ!今は忙しい、死ぬ気で走れよっ!」
そう言うのは少し低めの身長で小太りなハンマー使いの男だ。
「だが、見ろっ!前方に誰か居るぞ。俺らしっかりとトレインしているし、このままではMPKになりかねん。」
「おおっ!これはまずいな」
「ああ、だから、俺はこいつらを連れて行くわけには行かないっ!」
「っなんと!その男気溢れるセリフに痺れる!憧れる!ただし、こんな状況じゃなかったらなっ
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