暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1108話
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えている間に、凛がアインツベルンの話を進める。
 曰く、聖杯の入手を目指す魔術師の家系で、毎回マスターを聖杯戦争に送り込んでいる、と。

「つまり、あの女の子もマスターなのか?」

 聖杯戦争がどんなものなのかを言峰教会で聞いたからだろう。信じられないとばかりに告げる衛宮に、イリヤと名乗った少女は笑みを浮かべて口を開く。

「そうだよ、お兄ちゃん。だけど、私は聖杯より楽しみにしてた事があるんだ」

 ニコリ、と笑みを浮かべながら告げるイリヤだったが、そこから感じられるのは少女らしい可愛らしさではなく、得体の知れない不気味さ。

「それはね……お兄ちゃんを殺す事。……おいで、バーサーカー!」

 その言葉と同時に、イリヤの背後に巨大な質量の何かが現れる。
 まるで岩の如き頑強な肉体は、どう見ても英霊の枠を超えた迫力すら持っていた。

「イリヤスフィール!」

 瞬間、声を上げたのはセイバー。
 何故か必死なその呼びかけに、イリヤは小さく笑みを浮かべて口を開く。

「バーサーカー、セイバーももう1人のサーヴァントも、皆纏めて叩き潰しちゃえ!」
「■■■■■■■■■■■!」

 それは、返事というよりも咆吼、あるいは雄叫び。
 そんな声を発しながらこっちの方へと近づいてくる。

「凛、下がってバックアップを!」
「シロウ、下がって!」

 俺とセイバーが、共に前に出る。
 一瞬だけ交わされる視線。
 お互い戦いに生きる身である以上、それだけで軽い意思の疎通は可能だ。
 つまり、この場は共闘すると。

「邪魔するなよ」
「そちらこそ!」

 その言葉と共に、俺は右側から、セイバーは左側からバーサーカーへと向かう。
 バーサーカーが迎撃の対象としたのは、セイバー。
 確かにセイバーは見るからに武器を持っている動きなのに対し、こっちは無手。その判断は普通に考えれば間違ってはいないが……

「甘く見て貰っては困るな!」

 岩を無理矢理剣か斧の形にしたような、そんな武器をセイバーとぶつけ合っているバーサーカーに向かって、俺はその懐へと飛び込む。

「はああああぁあぁあぁあぁぁっ!」

 雄叫びと共に放たれた一撃は、筋力A++、敏捷A++、格闘のダメージを増加させるスキル勇猛のランクB、そして何より、対英雄ランクBのスキルによって、バーサーカーの巌の如き巨体を容易く貫く。
 放たれた俺の貫手の一撃は、間違いなくバーサーカーの皮膚を破り、肉を裂き、骨を砕き、その下にあった心臓をも破壊する。
 バーサーカーの巨体の為、俺の右腕が肩の辺りまでその肉体に埋まったが、その手が破壊した心臓の肉片諸共掴み取り、強引にバーサーカーの身体から引き抜く。

「■■■■■■■■■■■!」


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