Fate/stay night
1108話
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…ちょっと頼りないマスターかもしれないけど、よろしく頼む」
そう告げ、セイバーと握手を交わす衛宮。
「これで良かったのか?」
そんな2人を見ている凛へと声を掛けると、当然だとでも言うように小さく頷きを返してくる。
「色々と訳ありな相手なんだろ?」
「それは否定しないわ。けど、これで衛宮君も歴としたマスターよ」
「……凛の性格を考えれば、何だかんだと一緒に行動したりしそうな気がするけどな」
「そんな筈ないでしょ。ここまで連れて来てあげたのは、あくまでも衛宮君が魔術師として頼りないからよ。中で綺礼の話を聞いてマスターとして認められた以上、もう明日から敵同士よ。次に会ったらケリを付けさせて貰うわ」
そう告げる凛の様子は、本気でそう思っているようにも見えるが……ここで例のうっかりが出ないといいんだけどな。
「……ちょっと、何よその目は」
何かを感じ取ったのか、ジト目を向けてくる凛。
「いや、何でもない。ただちょっと凛のお人好しさ加減が心配になっただけだよ。……で、これからどうするんだ?」
「どうするって……帰るに決まってるでしょ。朝になる前に家に戻って、少しでも体力を回復させなきゃ。アークエネミーのご飯も作る必要があるでしょうし」
「……あ、そうか。アークエネミーが受肉状態で食事を食べられるって事は、セイバーも食事が必要なのか」
「そうですね。食事をすれば多少ですが魔力を回復しますから」
「へぇ、じゃあ衛宮君もセイバーの分の食事を頑張って作らないとな」
そんな風に会話をしながら道を進んでいくと、やがて別れ道へと到着する。
「衛宮君、セイバー、ここで別れましょ。分かってると思うけど、次に会った時には敵同士よ」
「無論です。私も手加減など致しません。全力でお相手します」
セイバーが強い意志の籠もった視線でそう告げ、それに俺も凛も納得して家へと帰ろうとした、その時……
「あら……もう帰っちゃうの? 夜はまだまだこれからだというのに」
そんな声が周囲に響く。
何ら迫力のある声ではないが、不思議と意識を惹き付けるその声の聞こえてきた方向にいたのは、10歳程の少女だった。
白髪のその少女は、その場にいる全員の視線が自分に集中したのを見て満足そうに笑みを浮かべる。
「こんな時間に、どうしたんだい? 迷子かな?」
衛宮が少女の方へと近寄っていくが、それを見た少女は小さく笑みを浮かべてから一礼する。
「初めまして。私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと言えば分かるかしら?」
「何ですって!?」
その名前に聞き覚えがあったのだろう。凛の表情が驚愕に歪む。
……うん? セイバーの表情も驚きで固まっている?
それに疑問を覚
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