Fate/stay night
1108話
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ませんか? 先程もメイガスに言いましたが、私達と貴方達は一時的に休戦をしているに過ぎません。この教会での出来事が終われば、再び敵同士となるのです」
「敵同士、ねぇ。言っちゃ悪いが、衛宮が遠坂と敵対出来ると思うか? 寧ろ衛宮が一方的に遠坂に狩られる関係になるんじゃないか?」
純粋に魔術師としての力量でも、そして心構えでも。どにらにせよ衛宮は凛に劣っている。
衛宮は多少身体を鍛えているようには見えるが、それでも普通の人間としては多少、といった程度でしかない。
そもそも、身体を鍛えているという意味では凛だって八極拳を修めているしな。
そんな衛宮が、凛に勝てるかと言われれば……俺は迷いなく否と答えるだろう。
「その時は、当然私がシロウを守る」
「……まぁ、そっちがその気ならそれもいいさ。ただ、その時は俺もお前の敵になるってのを忘れるなよ?」
セイバーにとっては面白くない言葉だったのだろう。俺の方へと1度視線を向けると、もう俺がいないかのように振る舞い、誰か敵が来ないかどうかを見張る為に周囲を見回す。
ここに聖杯戦争の監督役がいるんなら、確かに手を出してくる奴がいるかもしれないが。
いや、寧ろ監督役だからこそ迂闊に手を出せないと言うべきか……
ともあれ、結局その後二十分程の間、俺とセイバーの間で会話はなかった。
セイバーにしてみれば、衛宮が聖杯戦争に参加するのかどうかが疑問なんだろうな。ブラウニーとか呼ばれているらしく、色々な意味でお人好しらしいし。
そもそも、今夜の俺とランサーの戦いに居合わせてしまったのも、弓道場の掃除を遠坂に言い寄っていたあのワカメに押しつけられたからって話だし。
そのお人好し過ぎる性格を考えれば、魔術師同士の殺し合いでもある聖杯戦争に参加するのは難しいだろう。
もっとも衛宮が魔術師であった以上、何だかんだとこの聖杯戦争に巻き込まれた可能性は高い。
「お、出てきたな」
やがて教会から出てきた凛と衛宮。
凛の方はいつも通りだが、衛宮の方は何だか妙に消耗しているように見える。
……監督役ってのが俺の後見人扱いでもある人物らしいけど、話すだけでそこまで消耗する奴なのか?
何だかんだと俺が会った事はないが、そう考えると会わない方がいいんだろうな。
「シロウ、大丈夫ですか?」
そんな衛宮を見て、セイバーが真っ先に駆け寄っていく。
その様子は、こう評しては色々と失礼かもしれないが、どこか犬を思わせる。
もっとも、犬は犬でも容易に相手の喉笛を噛み千切るだけの力を持った軍用犬とかだろうが。
「あ、ああ。大丈夫だ。……それよりもセイバー。俺はこの戦いを見過ごせない。だから、マスターになる事を受け入れようと思う」
「シロウ、では!」
「ああ。…
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