第2部
第7話 甲鉄の雛
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る訳無かろう」
「畜生めぇぇぇええッ?? 」
両手にぶら下げた大量の甘味や土産物の入った紙袋を器用に持ちながら一葉は絶叫した。
その様子を尻目に、街中を流れる河に掛かった朱塗りの木橋の上で、私は静かに笑った。
「懐かしいだろ、こういうのは」
カズハは数秒程呆気に取られたような顔をし、気付いたように苦笑いした。
私がサイド6のリーアコロニーに越して来てから少し経った頃。
まだジュニアスクールに通っていた時、私がジオン出身という理由で周りに馴染めなかった頃だ。
家が隣で、ジャンク屋を営んでいた両親の代わりに私を迎えてくれたのがカズハ一家だった。
「変わらないな、お前は」
「それはカズハもだろう?」
気心の知れた仲、多くを言葉にしなくても何を考えているか分かってしまう。
まぁ、カズハは私の想いなど気付きもしないだろうが=B
「さて、そろそろ帰ろうか」
「へ? あ、おいラトロワッ??」
内に秘めた想いを告げるにはまだ早い。
そう自分を偽り=A私は踵を返して歩き出した。
「私だ、雛鳥≠フ積込みは?
……そうか、急げ」
「おいッ?? 聞いてんのかッ??ラトロワッ??」
また忙しくなる。
無線機を仕舞いながら、荷物持ちを引き連れ、一路九州へと戻る。
私達の日常へ。
私には悩みがある。
大凡、一般の人々が持つであろう、恋≠ニいう悩みが。
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