第2部
第7話 甲鉄の雛
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…此方の分析でも同様の結論に達しています。
貴方方日本帝国は、アジアの……いえ、ユーラシア大陸防衛の要と言ってもいいでしょう。
ですが、未だ大規模な上陸侵攻を許していないとは言え、現行兵器のみで陸戦棲艦を相手取るには戦力差は歴然だ。
幾ら艦娘という唯一無二の戦力があろうと、敵の優勢は崩れない。
……そういう意味では、戦術機の登場は光明となるに違いありません」
戦術機は艦娘と違い、生身の人間が操縦する。
そして深海棲艦に太刀打ち出来るのは現行で艦娘だけ。
当たり前ではあるが、事日本帝国の軍人にとっては煮え切らない事実である事は否めない。
日本帝国は現在、陸軍と海軍の二軍体制を敷いているが、両軍共に訓練過程から士道≠叩き込まれる。
士道とはつまり、武士道だ。
明確な違いはさておき、日本帝国の軍人の根底を築き上げている思想である事に変わりはない。
国や国土、天皇や国民、家族や恋人、そういったモノ≠自分の命に代えても護りぬく。
日本古来より積み上げられた一種の文化≠ナあり、日本帝国を支える柱の一つである。
まぁ、目の前に居る古い付き合いの腐れ縁の幼馴染の請負ではあるが……。
そんな自分の命さえ惜しまず戦場へ臨む意志を持った兵隊が、うら若い、年端もいかない少女達の後ろで唯見ているだけ、という状況に納得する訳がない。
「これで前線で燻っている兵の士気は上がるでしょう。
……その結果、兵が死ぬ状況も増えるでしょうが……」
「うちのMSの技術を使ってるんです。
全て……とは行かないまでも被害自体は抑えられるでしょう」
カズハは帽子を脱いで膝に置き、窓の外に広がる京都の景色を眺めた。
「22年ぶりの景色ですが、やはりいいものです。
生まれ故郷は……」
「ああ、そう言えば貴官は神宮司中将の……」
「父をご存知で?」
「艦娘との愛瀬の果てに家庭を持った、ある意味で有名人ですからね、彼は。
それに、…………出自も……」
「……?」
不思議そうに頭を傾げる一葉を他所に、彩峰中将は静かに微笑んだ。
???
結果的に言えば、式典は大成功に終わった。
順調にプログラムは消化され、各国要人の理解も得た形だ。
それもあってか、既にアメリカ、ロシア、中華統一戦線では近日中にロールアウトと配備が始まるようだ。
「さて、ラトロワ。
今現状の説明を求む」
「京都帝国ホテルのレストランで食事し、その直後の街中だが?」
「そっちを聞いてんじゃねぇよ、なんで俺がその街中でお前の買い物の荷物持ちをやらされとるんだと聞いている」
「ふむふむ、このヤツハシ≠ニやら…っん…意外に、イケるな…むぐっ…」
「生八つ橋買い食いしてんじゃねぇよッ??
ってか俺の分はッ??」
「あ
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