第2部
第7話 甲鉄の雛
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兵器…戦術機は人類初の二足歩行兵器であり、一定の飛行能力を有し、且つ従来のジェット戦闘機や戦車の火力を凌ぐ攻撃力を持つ兵器であると発表されています。
また同式典には、横須賀沖海戦の英雄である、地球連邦宇宙軍第8軌道艦隊麾下、エインヘリアル艦隊の艦隊司令である神宮司一葉准将閣下も参列されるとの事で、世界各国の報道局も注目しております。
では、軍事評論家の今泉氏にお話を伺いしましょう』
『え〜、今泉です。
今回正式採用される戦術機ですが、開発期間は異様の僅か1ヶ月であると政府より発表されました』
『兵器開発の期間としては随分短い期間ですね』
『元々戦術機の開発は10年前には既に始まっており、1ヶ月前には70%が完成していました。
ですが姿勢制御用のオートバランサーやOSの開発に難航し、一時は開発中止の噂もある程でした。
然し、神宮司准将閣下とエインヘリアル艦隊の齎したMSの技術を持って、大幅なブレイクスルーを果たし、遂に完成と相まったわけです』
『モビルスーツとは、エインヘリアル艦隊の配備している人型機動兵器ですね?』
『はい、彼らの扱うこのMSの能力の高さにより、深海棲艦に対する人型機動兵器の有用性が実証され、計画反対派を押し留め、更にはその汎用性の高さから、艦娘との併用による戦果向上が望める算段が付いた、という訳です。
また、全国沿岸部に出現する深海棲艦の陸上侵攻ユニット、陸戦棲艦≠ニの戦闘による被害の縮小も見込めるでしょう』
『有難うございます。
ではつづいてのニュースです。
オーストラリア、旧シドニーにて、大型の人型深海棲が確認されたと言う情報について、政府側は『未だ確固たる情報が無い為、存在自体不明である』と言う見方を示し、……』
「とんだお祭り騒ぎですな」
「戦意向上の為のデモンストレーションですよ、未だ内陸部に被害が無いとは言え、戦線は膠着状態。
その上、戦力比は圧倒的に此方が劣っていますから」
深海大戦勃発から早10数年、通常戦力では足止めが精々な人類側とは違い、駆逐艦クラスでも沿岸に甚大な被害をもたらす深海棲艦側は圧倒的な浸透力を持っていた。
対して人類側は、撃破どころか撃退出来れば御の字程度。
幾ら艦娘の登場により戦線を持ち直せたとは言え、未だ劣勢なのは火を見るよりも明らかだ。
そうなれば民衆の批判の声も大きくなる。
国民あっての国、民衆あっての軍隊である。
民衆の支持や支援がなければ軍隊は成り立たない。
何せ、国民の血税で軍隊は養われているのだから。
「南シナ海方面の国連軍が持ち堪えているとは言え、沖縄の泊地を始めとした深海棲艦の侵攻は徐々に強まっています。
いずれ沖縄本島の本隊が動き出すのも時間の問題でしょう。
横須賀沖で接敵した空母棲姫の動きも気掛かりです」
「…
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